労働者党(PT)と共和党(PR)が、党本部の活動や宣伝費などに使うべき政党ファンド(フンド・パルチダリオ)をメンサロン事件被告の弁護代などに利用していたことが発覚した。これを受け選挙高等裁判所(TSE)が両党に対しファンド利用を差し止める可能性があることを示唆した。12~13日付エスタード紙が報じている。
12日付同紙によると、PTは2012~13年に三つの弁護士事務所と契約し、同党の被告や告発を受けた党員弁護のための費用を政党ファンドから月額最高で4万レアル支払っていたことが明らかになった。
一つ目は「フレグニ―ロペス・ダ・クルス弁護士事務所」で、PTは党に関する業務への報酬として計48万5千レアルを支払った。これはPTがTSEに申告した15枚のノッタ・フィスカルで明らかになった。
同事務所のガブリエラ・フレグニ弁護士は、メンサロン裁判で実刑判決を受けた元党首のジョゼ・ジェノイーノ氏の弁護を行なっている。同弁護士によると、ジェノイーノ氏の弁護費用は2007年に本人から受け取っており、PTが12~13年に行なった事務所への支払いには同氏の弁護費用は含まれていないと主張している。
二つ目はブエノ・デ・アギアル、ウェンデル弁護士事務所」で、PTは同事務所に80万9千レアルを支払っている。これは、12年に発覚した連邦警察のポルト・セグーロ作戦で告発を受けたロゼマリー・ノローニャ元大統領府サンパウロ市出張所所長の弁護代と見られているが、同事務所はそれを否定している。
三つ目はマルシオ・シウヴァ弁護士事務所で、同事務所はメンサロン裁判で告発された元下議のプロフェッソール・ルイジーニョ氏とパウロ・ロッシャ氏(共に無罪)の弁護代として7万5千レアルの支払いをPTから受けたとされている。
一方、PRは2013年に、アヴィラ・デ・ベッサ弁護士事務所に対して4万2千レアルの支払いを行なっている。これは、メンサロン裁判で実刑判決を受けた元党首のヴァルデマール・コスタ・ネット氏と元下議のビスポ・ロドリゲス氏の弁護費用として支払われたもので、PR側もこれを認めている。
これらを受け、TSEのマルコ・アウレーリオ・メロTSE長官は、12日のラジオでのインタビューで「この件が仮に本当のことだとしたら、両党へのファンドの割り当てを差し止める可能性がある」と語った。13年に支払われた政党ファンドは総額3億6千万レアルに上っている。この額の5%はTSEに登録されている全ての政党に振り分けられるが、残りの95%は、前回の下議選挙の得票数に従って各党に分配される。
なお、アウレーリオ長官は13日に退任し、元PTの顧問弁護士だったジョゼ・ディアス・トフォリ最高裁判事が後任に就任した。