ニッケイ新聞 2014年3月26日
南マット・グロッソ州カンポ・グランデで少なくとも20年間軟禁状態に置かれていた婦人が24日、3カ月半滞在した保護施設を出、実家に戻ったと25日付G1サイトが報じた。
家政婦として働いていたシラ・ジナ・シウヴァさん(45)は結婚後、相手の男性から外出を禁じられ、20年余りを軟禁状態で過ごした。
夫との間には子供も4人生まれ、産院で出産したが、夫が怖くて現状を話せないまま帰宅。13歳、10歳、5歳の子供は学校に通っていたが、友達と話す事なども禁じられ、15歳の子供は学校を辞めさせられた。4人とも、母親同様、ほぼ軟禁状態で大きくなっている。
シラさんと子供達が軟禁状態から解放されたのは13年12月。隣人からの通報で、夫は逮捕され、シラさんと子供達は別々の保護施設に収容された。
子供達はシラさんより一足先の2月に保護施設を出、シラさんの姉妹宅に同居中。24日に保護施設を出て実家に着いたシラさんは、父親からの抱擁を受けた後、久しぶりに子供達と再会。ほっと胸をなでおろした。
「これからは新しい人生が始まる。勉強もしたいし、働いて子供達も育てなきゃ。まるで夢のようだわ」というシラさんは、「今は安全だと感じる」「恐怖心に駆られる事のない、普通の生活をしたい」と語っている。