サンパウロ州立3大学(サンパウロ総合大学(USP)とカンピーナス大学、サンパウロ州立大学)が12日、教職員の給与凍結を発表した。特にUSPは教職員給与が予算額を超えており、13日付エスタード紙は「USPは過去30年間で最もひどい財政難に見舞われている」と報じている。
3大学の教職員給与が凍結されるのは少なくともここ10年で初めて。凍結は3大学学長が教職員代表者と共に開いたCruesp(サンパウロ州立大学長審議会)で発表され、「今はいかなる給与調整も認められる状況ではない」と財政危機状況であることが強調された。
給与額が予算の105%に及ぶUSPでは、今年第1四半期だけで予備費を2億5千万レ持ち出した。USPは2012年以降、ポウパンサの40%にあたる13億レを持ち出している。
同審議会では9月の会合で財政状況を見直し他時点で給与調整について再検討するとし、それまでは給与凍結を決めた。各大学は自立経営が原則だが、商品サービス流通税(ICMS)の9・57%を州から受け取っている。州からの給付額は税収によって変わり、ここ数年増額しているが、2012年からは増加率が低下していた。
3大学の教職員組合は9・78%調整を訴えており、13日の決定に猛反対だ。「少なくともこの12カ月のインフレ率に応じた調整があると思っていた。審議会は財政難というが預金は20億レアルある」と、あるUSP職員組合役員は話す。教職員らは今週、部門別集会を開いてこの件を議論する。21日には職員ストを行う予定だ。
USPは今年、清掃や学内警備等の一般支出の40%削減を決めたが、東部キャンパス(USPレステ)が土壌汚染などで4カ月間立ち入り禁止となり、汚染物質除去に2千万レ以上かかる。
USPでは前学長時代の2011年に167人の教員に州知事と同額という上限を超えた給与を支給しており、州会計監査院(TCE)が今年4月、同年の会計報告を認めない判断を下した。