ホーム | 日系社会ニュース | 「日本の若者よ、日系社会見て」=藤岡弘、さんTV取材で来伯=〃バナナ王〃山田さんらと意気投合=「日本人の誇りを取り戻せ!」
このままでは日本の将来が危ないと危惧する藤岡さん
このままでは日本の将来が危ないと危惧する藤岡さん

「日本の若者よ、日系社会見て」=藤岡弘、さんTV取材で来伯=〃バナナ王〃山田さんらと意気投合=「日本人の誇りを取り戻せ!」

 特撮ヒーロードラマ「元仮面ライダー1号」の本郷猛役で一躍名を馳せた、俳優で武道家の藤岡弘、さん(68、愛媛、「、」には『我未だ完成せず』との意味を込めている)がこのほど、日本国外で活躍する日本人を取材するため来伯した。これまでにも同様の撮影や慈善活動などで渡伯しており、6回目となる今回は、テレビ制作会社と共に10日間ほど滞在した。帰国前日の13日に来社し、日系社会に接して感じたことや、現代日本が抱える問題点を熱く語った。

 現代日本社会を転換期と捉え、「将来を背負う若者が日本人としての誇りを失っている。このままでは活気のない日本がやってきて、諸外国との競争に負けてしまう」と藤岡さんは危惧する。「ブラジル国内で多大な功績を残し、今でも努力を重ねる日系人を取り上げ、日本に伝えることで、現代の若者に喝を入れなければ」。本人たっての希望で企画し、撮影陣と共に来伯した。
 「ブラジルには多くの日本移民が存在し大活躍している。これまでの移民政策の中で唯一の成功例と言っても良いのではないか。さらに日本の伝統を今でも引き継ぐ日系社会には、来るたびに感動を覚える。日本人の持つ底力を強く感じる」と熱を込めた。
 今回はミナス・ジェライス州ジャナウバ市の〃バナナ王〃山田勇次さんや、リオ商工会議所の元会頭で剣道家でもある堤寿彦さんを訪問。農業や政治、経済面などにどれほどの影響力を与えてきたを取材した。
 特に山田さんとは「三日三晩寝食を共にするほどに共鳴し、大きな感銘を受けた」という。バナナ王としての地位確立もさることながら、その後に市長選へ立候補したことに対して、「決意、決断、覚悟といった真の侍魂を持っている。バナナ王という肩書に傷がつく可能性もある中で、命の危険を冒してまで選挙に挑戦した志の高さは、まさに称賛に値する」と称えた。
 「ブラジルには日本人としての誇りを失わず、たくましく生きる日系人が多く存在する。沈みがちな日本に喝を与えるためにも、日伯関係はたいへん重要なもの。これからも移民した諸先輩の苦労を伝えたい」と、熱いまなざしで語った。
藤岡弘、さん 今回の来伯は南米通信社の尾和義三郎代表の仲介によるもの。尾和代表が日本で役者だったころ、藤岡さんとは先輩後輩関係だった。今回の撮影内容はフジテレビ系列でW杯開催中の6月21日に放映予定。

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 同日夜にはサンパウロ市ブルーツリーホテルで、これまでの日系社会に対する取材貢献、ボランティア活動などを称えるため、プラッカ伝達式を行った。
 藤岡さんは、名誉下議の救仁郷靖憲氏から大十字賞を、安部順二連邦下議補佐官の宮原ジョルジ氏から連邦議会の感謝プレートを受け取った。