ニッケイ法律相談＝その４３＝回答者　古賀アデマール弁護士

　質問＝一世の夫は４５年間、ブラジル人の会社でアウトノモ（自営業者）として働いていました。今年いっぱいで辞めるつもりなのですが、退職金はもらえるのでしょうか。
　回答＝アウトノモでも色々な業種があると思いますが、あなたのご主人はどういった専門でしょうか。かつアウトノモとして正式に登録されているでしょうか。アウトノモとして働くには、まず正式に登録して資格を取得し、番号を受け取る必要があります。そうしないと、アウトノモとして仕事をし、領収書を発行することができません。
　アウトノモは仕事をした後に領収書を発行し、会社組織などから指示を受けずに仕事をすることが原則です。ですから、基本的には労働法には守られませんし、退職金も発生しません。
　ただし例外があります。アウトノモであっても、会社組織などの命令や指示を受けて仕事をし、会社から「給与」を受け取った場合です。
　ご主人が働いていた会社で、例えばご主人が会社の指示に従い毎日あるいは週に何日か、時間を決められて出勤をしていたのかどうかで決まります。もしそうだった場合は労働法が関わりますので、労働裁判にすれば必ず勝ち、退職金を受け取ることができます。
　ただし、それでももしアウトノモとして仕事の後に領収書を発行していたら、退職金を受け取ることはできません。
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　質問＝亡き父の遺産として土地があります。４人の子供などの名前で相続されていますが、既にそれから２５年経ちました。この２５年間、税金は払っていません。
　現在、兄弟で売却しようかと考えていますが、税金を払えば売ることができるでしょうか。
　回答＝税金というのはおそらくＩＰＴＵ（不動産家屋税）だと思いますが、滞納していた場合には罰金や利子が発生します。ただその金額は市によって、支払いが遅れている期間によって異なります。当然ですが、滞納の期間が長くなればなるほど、金額は高くなります。
　２５年間支払わなかったとのことですが、放っておくと市に裁判に持ち込まれる可能性がありますので、早めに対処した方がいいと思います。まずは市役所に行って説明し、言われた金額を支払うことです。
　もし裁判になったとしても、何回かの分割払いにしてもらうという方法などで、示談にすることもあります。支払いが終われば、土地を売ることができます。
　ちなみに、ＩＰＴＵを７万レアル滞納して、自分が住んでいる家を差し押さえられてしまった人がいます。借金を滞納した場合などで自分の財産が自分が住んでいる家ただ一軒だけの場合、そこを差し押さえられることはありません。ただしＩＰＴＵとコンドミニオを滞納した場合は例外で、自分が住んでいる家でも差し押さえられ、競売にかけられてしまいます。

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