ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | パイヴァ氏=検察庁が軍人5人を起訴=「時効なし、恩赦適用されず」=軍政時代の犯罪で初公判か
昨年2月に開かれた真相究明委員会で、元陸軍大将の関与が認められた(Foto: Paula Macedo / ASCOM – CNV)
昨年2月に開かれた真相究明委員会で、元陸軍大将の関与が認められた(Foto: Paula Macedo / ASCOM – CNV)

パイヴァ氏=検察庁が軍人5人を起訴=「時効なし、恩赦適用されず」=軍政時代の犯罪で初公判か

 【既報関連】軍事政権時代の代表的な反抗の闘士だったルーベンス・パイヴァ元連邦下議が1971年1月に行方不明になった事件に関し、連邦検察庁が19日、5人の退役陸軍軍人を殺人および死体隠蔽の容疑で起訴した。起訴が認められれば、軍事政権時代の犯罪で初めてとなる公判が開かれることになる。20日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
 パイヴァ氏は公式には「行方不明」とされていたが、真相究明委員会が昨年2月、リオの陸軍秘密警察(DOI―Codi)の拷問にあって死亡していたと認定した。
 検察が証拠として提示した書類の一部は、パウロ・マリャンエス元陸軍大佐の家から押収された。元大佐は今年3月にパイヴァ氏の遺体隠蔽に関わったと告白しており、4月24日にバイシャーダ・フルミネンセの自身の農園が襲撃された際に死亡した。陸軍はこれまで、同氏の死への関与を認めていない。
 パイヴァ氏が投獄、拷問されて行方不明になった時のDOI司令官ジョゼ・アントニオ・ノゲイラ元陸軍大将や陸軍情報機関(CIE)のルーベンス・パイン元大佐は、殺人と死体隠蔽などの容疑で懲役37年の罪になる可能性がある。
 DOIに所属していたライムンド・ロナウド・カンポス元大佐と他2人の軍人は死体隠蔽等の罪で起訴され、10年以上の懲役刑となる可能性がある。ただし、カンポス元大佐に関しては、陸軍が、パイヴァ氏が逃亡し〃テロリスト〃に救われたように見せかける工作をしたことを明かし、捜査に協力したとして減刑が要請された。
 検察によれば、この事件は人間性に反し、「政治的抑圧の半内密的システムの中で、文民に対して系統的かつ総合的な攻撃をする背景の中で行われた犯罪」であるため、時効は発生せず、恩赦法も適用されないという。
 検察は、パイヴァ氏が死亡したとされるDOI―Codiの建物に捕らわれていた元政治家の証言も元にした。この元政治家エジソン・メデイロス氏は1971年1月20日、歌手ロベルト・カルロスの曲「ジェズス・クリスト」を大音量で流している中で拷問されている人の声が聞こえ、数時間後に2人の新兵がパイヴァ氏に似た男性の遺体を運ぶのを見たと証言している。
 元軍人らの弁護士は、被告らは容疑を認めていないとした上、「検察は(国内法の恩赦法ではなく)国際法に基づいて起訴を正当化しようとしている」と述べ、事件への関与を認めたカンポス元大佐は「悪いように誘導された」としている。