【既報関連】20、21日にサンパウロ市を襲ったバスの電撃ストは、一部過激派による運行妨害が続いたものの、22日夕方までに一応収束した。同日は大サンパウロ市圏16市でバスのスト、サンパウロ市ではホームレス労働者運動(MTST)によるW杯反対のデモ行進も起きるなど、混乱の1日が続いたと23日付伯字紙が報じた。
大サンパウロ市圏のバスのストは、ジアデマとサンベルナルド・ド・カンポがモビ・ブラジル社のストで夕方まで混乱、ヴィアソン・オザスコ社のストとサンパウロ市やバルエリなどを走るウルブプンガ社の運行縮小でオザスコ市民の65%が足を奪われる、イタペセリカ・ダ・セーラではミラカチバ社のストで午後1時半までバスがないなど、サンパウロ市と周辺の計17市に拡大した。影響を受けた人は、ジアデマとオザスコだけで23万人に上った。大サンパウロ市圏では23日も10市でストが続いている。
21日は21ターミナルが機能停止となったサンパウロ市では、22日0時から勤務再開との約束とは裏腹に、サンタブリージダ社のバスが過激派の妨害で運行出来なかった上、信号で停止したバスのタイヤの空気を抜いて走行不能とするといった運行妨害が多発。ガラスやサイドミラー、扉等を壊されたバスは22日だけで最低40台に及んだ。
20日からのストの調整を試みている労働地裁は、過激派との接触を試みる一方、22日の公聴会でバス会社と労組にも苦言を呈した。過激派は同地裁でストの合法性に関する審理が開かれる27日までスト中断を決めたが、今後の動きは予断を許さない。
一方、MTSTは22日夜、ラルゴ・ダ・バタタ~オターヴィオ・フリアス・デ・オリヴェイラ橋間でW杯反対のデモ行進を行い、マルジナル・ピニェイロスの南部方面行き車線は一時、全面閉鎖となった。デモ行動にはイタケーラやジャルジン・アンジェラの土地占拠者ら3万5千人(軍警発表では1万5千人)が参加し、W杯開催のあり方を批判。大衆住宅地確保や教育、保健衛生、公共交通の改善を叫んだ。