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ジウマ氏/Roberto Stuckert Filho/PR
ジウマ氏/Roberto Stuckert Filho/PR

大統領選アンケート=イボッピでも野党候補躍進=放送でジウマ支持上がるも=決選投票の可能性強まる=現政権評価は意見が3等分

アエシオ氏/Igo Estrela/ObritoNews

アエシオ氏/Igo Estrela/ObritoNews

 イボッピ(IBOPE)による大統領選挙に関しての最新アンケートが22日に発表され、ジウマ大統領(労働者党・PT)とそれ以外の候補との差が縮み、決選投票にもつれ込む可能性がさらに高まった。23日付伯字紙が報じている。

 ジウマ大統領と野党候補との支持率の差が迫りつつあることは、5月に発表された全国運輸連合(CNT)やダッタフォーリャのアンケートでも明らかになっていたが、これまで野党候補にもっとも差をつけていたイボッピの調査でも、ジウマ大統領の優位性が揺るぎ始めた。
 今回のイボッピの調査は15~19日に行なわれた。ジウマ大統領は13日と15日にPTがテレビで政見放送を行なった影響もあり、前回4月の調査で37%だった支持率を40%にあげた。
 だが、2位のアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)も、17日にPSDBが政見放送を行なった影響などで、14%だった支持率を20%台に乗せた。アエシオ氏が支持率を20%台に乗せたのは、CNT、ダッタフォーリャに続き、三つ目だ。
 3位のエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)も、6%だった支持率を11%と2桁に乗せた。これで同氏の支持率も、三つの調査機関でいずれも10%前半台となった。4位にはキリスト教社会党(PSC)のエヴェラウド氏が3%で入った。同氏の支持率は3月からずっと3%だ。なお、カンポス、エヴェラウドの両氏は期間中に政見放送は行なわれていない。
 その他の少数派候補の支持率の合計は2%で、アエシオ氏以下の野党候補の支持率を全部あわせると36%となる。誤差の範囲内を含め、ジウマ大統領の全体での過半数超えは微妙となり、決戦投票にもつれ込む可能性が高まっている。
 また、ジウマ大統領の不安要素としては拒絶率の高さが上げられる。イボッピは今回「どの候補に投票したくないか」の問いを行なっているが、ジウマ氏が3月の調査と同じ33%だったのに対し、アエシオ氏(25%→20%)、カンポス氏(21%→13%)、エヴェラウド氏(23%→16%)と、いずれも拒絶率を下げていた。

カンポス氏/Antonio Cruz/ABr

カンポス氏/Antonio Cruz/ABr

 決戦投票のシミュレーションでは、「ジウマ氏対アエシオ氏」の場合が43%対24%、「ジウマ氏対カンポス氏」の場合が42%対22%でいずれもジウマ氏が勝ったものの、前回がそれぞれ43%対22%、44%対17%だったことを考えると、その差は迫っている。
 ジウマ大統領と野党候補の差が縮まった背景には、現政権への評価の凋落がある。今回行なわれた調査では、「よい」が35%、「悪い」が33%、「普通」が30%と意見がちょうど3分した状態となっている。これは「よい」「悪い」が31%で並び、普通が「37%」だった昨年6月のサッカー・コンフェデ杯時(全国的なマニフェスタソンが起きていた)に記録したものと近いものになりつつある。