サッカーブラジル代表(セレソン)は26日にW杯に向けての合宿に入ったが、合宿地に向かう際、マニフェスタソンの参加者に取り囲まれる一幕が見られた。27日付伯字紙が報じている。
セレソンは26日朝、宿泊先のリオ市のホテルから合宿所のあるリオ州テレゾーポリス市にある合宿所、グランジャ・コマリーに向けてバスで移動を試みようとした。
だが、バスの出口付近には約100人ほどの抗議者たちがあふれかえっていた。彼らは、リオで5月12日以来ストを継続している公立学校の教員たちで、「これから起きるのはW杯ではなくストライキだ」などとW杯開催反対を唱えた紙を掲げて抗議を行なった。
結局バスはホテルを午前10時25分に発った。バスは連邦警察と軍警特別機動隊の白バイなどの併走を受けて進んだが、抗議者たちに包囲され、ホテルから1月20日大通りまでのわずか200メートルの距離を進むのに10分も要し、進路の変更も余儀なくされた。なお、暴力沙汰は起こらなかった。
抗議はテレゾーポリスでも続き、グランジャ・コマリーから300メートルほど離れた地点で、教員や学生、社会主義自由党(PSOL)をはじめとした左翼政党の党員ら約100人がバスを待ち構えていた。抗議者たちはW杯の支出や、2011年の豪雨で多くの犠牲者が出たのに現在も住居不足が続いている現状を訴えた。
セレソンのバスは正午に合宿所に到着したが、そこではセレソンを讃える歓声と同じ位、罵声も飛び交った。中でもネイマールの名前は抗議者から引用されることが多く、「ネイマールより先生の方が大事だ」などの声があがっていた。
関係者によるとこの件によるセレソンの動揺はないという。カルロス・アルベルト・ペレイラ・コーディネーターは「W杯では国民の応援がセレソンを後押してくれる」と信頼感を表明した。