先週末から、再選を目指すジウマ大統領に対する逆風がより強くなっている。W杯の実行委員のひとりでかつての代表選手のロナウドは26日、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)の選挙キャンペーン支持を表明した。また、もうひとりの有力候補のエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)は26日に開催された講演会でジウマ氏への批判を行なった。27日付伯字紙が報じている。
27日付本紙でも報じた通り、ロナウドはW杯の準備の遅れを「恥ずべきこと」と批判してジウマ大統領の反論を受けたが、その背景には同氏が4月にアエシオ氏と共に写った写真をネットに掲載し、「未来の大統領」とのコメントを添えたことがある。ジウマ大統領としては、W杯を盛り上げるために実行委員に任命したロナウドに裏切られた形となったのだ。
これらの報道を受けた後、ロナウドは26日にヴァロール紙の取材を受けた際、アエシオ氏への支持を認め「まだ話し合いはしていないが、キャンペーンにも出るつもりだ」と発言した。
W杯開催を約2週間後に控えた段階でもまだ抗議活動やしらけムードが漂い、大統領支持率も降下する中、自分の追い風となるはずだった知名度抜群の大スターによる、追い討ちをかけるような裏切り行為は、国民にも影響を与えかねない。
一方カンポス氏は27日、エスタード紙主催の企業家のシンポジウムに出席し、その席でジウマ氏を批判した。カンポス氏の批判は特にジウマ氏のエネルギー部門の政策に集中した。カンポス氏によると、ジウマ氏の問題は、対話を行なわず、全てを自分とせいぜい2人ほどの人物で決めることだとし、「現在はエネルギー部門で独裁が行なわれている。反対者の意見はあの人には届かない」と批判した。
さらにカンポス氏はペトロブラスに関しても、政府がインフレを抑えるのを目的に燃料(ガソリン)価格をコントロールしたことが、ペトロブラスと砂糖アルコール業界の双方に甚大な損失を与えているとし、「計画や戦略に関する権利をペトロブラスの手に戻すことが必要だ」と語った。
また、今日の電力問題に関しては、少雨とそれに伴う発電所のダム貯水量不足が主な原因としながらも、政府が2012年に行なった電気代の値下げが傷口を広げたと批判。この政策の影響は国庫や配電会社、国民にまで及んでいると語った。
カンポス氏がジウマ氏のエネルギー政策を批判する背景には、ジウマ氏が第一次ルーラ政権時代に鉱山動力相をつとめていたことがある。カンポス氏は「わが国は政治的な統制力と計画性を失った」と評している。
カンポス氏は「私と副候補のマリーナは国をまとめることができる。私たちはブラジル社会が既に獲得したものをかき乱したりはしない。だが、PSDBは、ブラジルがもう受け入れられなくなった分離の方向を目指している」とし、アエシオ氏との違いも強調した。
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