ジウマ大統領は28日、サンパウロ州知事選挙に関して「私たちには2人の候補がいる」と語り、所属の労働者党(PT)のほかに連立与党最大のパートナーの民主運動党(PMDB)から出馬のパウロ・スカッフィ氏も味方だという見解を示した。この2人でジェラルド・アウキミン(民主社会党・PSDB)の現政権打倒を目指す構えだ。29日付伯字紙が報じている。
サンパウロ州知事は、同州を拠点としながらもこれまで一度も知事を輩出できていないPTにとっては是が非でも欲しい座だ。PTは12年のサンパウロ市市長選で教育相だったフェルナンド・ハダジ氏がPSDBのジョゼ・セーラ氏に勝って当選したことで、95年以来、サンパウロ州知事の座を握り続けているPSDB打倒に向けて鼻息を荒くしている。10月の知事選に前保健相のパジーリャ氏で臨むのもそのためだ。
だが、現時点での知事選世論調査ではアウキミン氏が43%の支持率を誇り、パジーリャ氏はわずか4%と苦戦しているのが現状だ。
そこでPTが目をつけたのが、PMDBから立候補するスカッフィ氏だ。同氏はサンパウロ州工業連盟(Fiesp)の会長ということで知名度があり、世論調査でも19%の支持を誇っている。当初PTは、スカッフィ氏に第3勢力になってもらい、パジーリャ氏の決選投票行きを手助けしてもらうつもりだった。だが、パジーリャ氏の支持率が伸び悩み、スカッフィ氏を牽制する声もあった。
だが、ジウマ大統領は27日、副大統領官邸でミシェル・テメル副大統領をはじめとするPMDBの要人たちとの夕食会で、「私たちにはサンパウロ州知事候補が2人いる」と発言、同選挙をパジーリャ氏、スカッフィ氏の2人で戦い、最低1人を決戦投票まで持ち込みたいとの考えを明らかにした。さらに「もうこれ以上、サンパウロ州をPSDBのものにすることはできない」と強調した。
また、それを後押しするように、ジウマ大統領はPMDBの知事候補らを賞賛した。一人目は、リオ州知事に出馬するルイス・フェルナンド・ペゾン氏だった。ペゾン氏は前任のセルジオ・カブラル氏推薦の後継者だが、そこにPTのリンドベルグ・ファリアス上議が出馬の意向を示したことで両党間の関係が悪化していた。また、もう一人、パラー州のエルデール・バルバーリョ候補に関しても「お父様も出馬を誇りに思っているだろう」と語った。同氏の父のジャデール氏は同州元上議で公的資金横流しの容疑で議員を辞任、逮捕されている。
ジウマ氏のPMDB党員賞賛はジョゼ・サルネイ元大統領や、議会内の政府反対派リーダーであるエドゥアルド・クーニャ氏にまで及んだ。
また、ジウマ氏は28日にサンパウロ市でユダヤ人コミュニティのリーダーたちと会食を行ない、その際に「今年ブラジルに電力不足が起きないことを保障する。水不足は保障しないが」と語り、アウキミン知事の水不足対策への批判を行なったという。
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