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壊す事は簡単だけど…

 週末は少し時間があって、ポ語の新聞も普段読めないページまで目が行く。この週末気になったのは、5月31日付エスタード紙スポーツ欄に、ブラジル代表チームは世界で最高給のセンターバック(ザゲイロ)3人中2人を擁するなど、守備が堅いと書かれた文中にあった「壊す事は建て上げる事より簡単」との言葉だ▼相手チームが工夫して組み立てた攻撃もブラジル守備陣は打ち壊せるという意味か等々考えたりしたが、実はこの言葉が気になったのは、文脈こそ違え、日頃から主人と話し合っている「壊す事は簡単」という事と一脈通じるからだ▼もちろん、主人と話すのは、建造物から信頼関係を含む人間関係までの一般論だ。一つの建物の建設には設計から施行まで多くの人の手がかかるし、多くの経費もつぎ込まれるが、不要となった建物や橋の破壊はダイナマイトのセットが終われば一瞬だ。人間関係では、長年かけて築いてきた信頼関係が小さな誤解や失敗で壊れる事も多々ある。先住民との信頼関係を築けないジウマ政権は反面教師かも▼身近なところでは、1月に骨折し、3週間で職場復帰したものの、5カ月目の今もひねったりすると痛みがあり違和感も残る右手首もその一例だ。血液銀行から血が足りないと連絡を受けて献血をしに行ったが、術後半年はだめと言われて諦めて会社に来た日、編集部では、時間をかけて料理しても食べるのは一瞬という話も出た▼何事も作り上げたり回復させたりするのは時間がかかる。人を育てる事もまた然り。忍耐や寛容、訓練、愛情などをつぎ込んで作り上げたり得たりしてきたものは、簡単には壊れないと信じたいが。 (み)