ニッケイ新聞 2013年8月24日
南部パラナ州の州都クリチーバ。人口は180万人弱、近代的な優れた都市機能が特徴の美しい町だ。緑が多く、「環境都市」としても知られている。
モダンな雰囲気に、整然として歩きやすい街並み、他の町では類を見ない効率的な公共交通機関は、ブラジル初心者にとっても、最も敷居の低い町といえるだろう。
標高934メートルの高原に位置するため、年間を通じて冷涼で過ごしやすい気候だ。治安も比較的よく、植民地時代の面影を残す荘厳な建物と共に、近代的なビルも立ち並んでいる。
道行く人の顔を見てみると、その多くが白人系だ。クリチーバの住民は19世紀に入るまでインディオ、混血、ポルトガル人、スペイン人が大半を占めていたが、外国人の土地の所有が認められるようになってから、ドイツ人移民が数多く入植し、町の発展、産業化の担い手となったからだ。
ポーランド人移民が最初に入ったのは1871年で、現在、クリチーバには国内最大のポーランド人コミュニティがある。そのほかにも、イタリア人移民、ウクライナ人移民も数多く入植している。
観光スポットとしては、市の中心にある「11月15日通り」がお勧め。カフェやお店が立ち並ぶ、雰囲気のいい町のメインストリートだ。
市内の「オペラ・ド・アラメ」は金属パイプで造られたユニークな劇場で、他にも巨大な植物園、管状のアーチが天井にかかった「24時間通り」、オスカー・ニーマイヤー美術館、歴史地区にある旧市庁舎のパソ・ダ・リベルダーデなど、見所は盛りだくさんだ。
市内の観光スポットを回る観光バスも出ているので、ツーリストインフォメーションでチェックしてみるといいかも。
また、市内から出ている列車に乗れば、約3時間で湾岸の町パラナグアにも行ける。車窓からみえる景色の美しさは一見の価値ありで、多くの観光客を集めている。
W杯の4試合が行われるスタジアムは「アレーナ・バイシャーダ」。建設されたのは1914年と古い歴史があり、99年に拡張工事が行われた。W杯に向けて改修中で、現時点で96%の完成度。収容人数は4万2千人になる予定だ。
クリチーバは、サンパウロから飛行機で1時間ほど。長距離バスなら6時間ほどで行くことができる。