4日、上院で「児童虐待防止法」(レイ・ダ・パウマーダ)が承認された。ジウマ大統領の裁可次第、公布となる見込みだ。5日付伯字紙が報じている。
この法案は4年前にルーラ政権によって提案されていた。だが、福音派議員が「家庭内での教育を妨げかねない」として反対し、議会での承認に時間を要していた。だが、14年5月21日に下院が承認した後は気運が高まり、4日の上院での投票の運びとなった。
上院での投票では、人権委員会と本会議の双方で、マグノ・マウタ上議(共和党・PR)が投票開始を遅延させる行為を行ない、レナン・カリェイロス上院議長や同席したイデーリ・サウヴァッチ人権局長官が早く投票を行なうよう促した。その結果、同法案は4日のうちに上院本会議で承認され、ジウマ大統領の裁可が出次第、発効となる。
この法案は親や家族、教師が子供に肉体的な暴力や苦痛を負わせることを禁じており、保健、社会、教育といった公的機関の職員が、このような行為に気づきながら、当局に通達しなかった場合には最低給料の3倍から20倍の罰金を科すことも定めた。だが、体罰に関する明確な定義はされておらず、体罰の程度や罰則の適用は児童相談所の判断に委ねられる。
マルタ上議をはじめ反対派の意見の中には「体罰はしつけ上の最後の手段であり、それがないと子供が甘やかされる」などの意見をあげている。だが、子供番組でおなじみのテレビ司会者で、上院の審議にも同席したシューシャは「この法案は教育やしつけを妨げるものではない。暴力を使わなくても教育が可能なことを示すものだ」と語っている。
また、この法案は、今年4月に南大河州で父親と継母とその友人により殺害された少年ベルナルド・ボルドリーニ君(享年11)の名にちなみ、「メニーノ・ベルナルド法」とも呼ばれている。