「モンテ・フジ」と聞いてブラジル人は何をイメージするだろうか。単なる高い山、日本のシンボルといったところだろうか。移民にとってニッポンを懐かしく思うとき、目に浮かんだのは富士山の雄姿ではなかったか。その証拠に、北米にはタコマ富士があり、ブラジルにはレジストロ富士がある。世界23カ国・地域に50以上あり、日本国内にも「~富士」は350以上。たまたま遊びに行った海辺町で、日系三世が「ペルイーベ富士」と地元の山を呼ぶのを聞き嬉しくなった▼そんな富士山が昨年「UNESCO世界文化遺産」となった。物理的に日本一高い山(3776米)ということではなく、日本人の精神文化に影響を与えたことが、自然ではなく〃文化〃遺産となったわけだ。浮世絵や俳句に見られる影響は誰にでも思い浮かべることができる。「青白富士」だけでなく、四季折々に見せる様々な表情をブラジル社会に知ってもらいたいーそんな思いがイベントに繋がった▼本紙は、『富士山写真展~世界遺産となった日本の魂と文化~』を開催する。写真提供は提携紙である「静岡新聞」。富士山を仰ぐ地元の新聞が切り取った様々な富士山を紹介する。ご来光を拝む人々、山頂近くに立つ鳥居、高速道路、三保の松原からの見事な姿ー。まさにモンテな表情の富士山だ▼皮切りは今週末7、8日にある「オザスコ日本祭り」。お近くの人は是非足を運んで欲しい。次回は「県連フェスティバル・ジャポン」(7月4~6日)で開催する。子や孫をつれて、是非足を運んで欲しい。日本にルーツを持つ人ならば、胸を張らずにはいられない美しさだ。(剛)