7~8日に強い風も伴う集中豪雨に見舞われたパラナ州で9日、木の枝に引っ掛って身動きがとれなくなったまま死んだ牛をおろす作業が行われた。
農業技師のリンドマル・ペレイラ氏が「こんなに悲しい場面は見た事がない」とまで表現したのは、パラナ州西部ケーダス・ド・イグアスでの出来事だ。ペレイラ氏はこの町で12年間働いているが、濁流で運ばれた牛が人の背丈を越えた木の枝に引っ掛って死んだ例は初めて見たという。
同市を流れるマット・ケイマードと呼ばれる川は、7~8日の集中豪雨で平常時より5メートルも水位が上がり、同市のリーニャ・エストレラとその周辺に住む約60家族の内、少なくとも6家族は家や家畜その他の私財のほとんど全てを流されてしまった。木の枝から救出された牛には農場を判別するための印がなく、10日になっても飼い主が現れていない。
パラナ州での大雨の被害は市街地か農村部かを問わずに広がり、同市でも1人が死亡、3人が負傷、3万2843人が浸水や家屋損壊、その他の損害を受けたという。
同州ではこの週末だけで6月の平均降水量の3倍の雨が降ったとされ、10日正午現在の被災者は、全自治体の33%に相当する135市の43万8880人。非常事態宣言の対象となる自治体は132市に増えた。死者は10人、負傷者は30人で、行方不明者は5人と報道されている。
10日午後2時前の報道によると、フォス・ド・イグアスではパラナ川の水位が25時間で16メートル上がり、193家族が非難を余儀なくされている。10日午前0時現在の友情の橋付近の水深は124・98メートルで、1983年と1992年の大洪水に次ぐ、史上3番目の大増水となっている。この増水ではパラグアイ側を中心に500軒が被害を受けている模様。同地方では14日以降も降雨が予想されており、予断を許さない。イタイプ発電所ダムの放水は7日から続いており、放水を知らなかった住民らが家屋や私財を流されるという被害も出ているという。
同州防災局では、マットレスや毛布、シーツ、紙おむつや飲用水、衛星用品、衣類、基礎食料品等の寄付を募っている。現金を送金する場合は、ブラジル銀行(Banco do Brasil)支店番号(Agência)3041-4のConta Corrente: 25.101-1か、イタウ銀行(Banco Itaú)支店番号4143のConta Corrente: 00.736-9、口座名はどちらもProvopar Ação Socialだ。(10日付G1サイトより)