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2メートル以上の木の枝に引っ掛って死亡した牛(Clederson de Lara/ Portal Quedas)
2メートル以上の木の枝に引っ掛って死亡した牛(Clederson de Lara/ Portal Quedas)

南部の水害死者12人に=週末も雨の報に懸念広がる

 【既報関連】6日夜から9日未明にかけて強い風を伴う豪雨に見舞われたパラナ州とサンタカタリーナ州の死者が計12人に増え、被災者の数も11日朝の時点でパラナ州49万2532人、サンタカタリーナ州2万人と11日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
 11日朝までに確認された死者はパラナ州10人、サンタカタリーナ州2人で、パラナ州では3人が行方不明のままだ。
 パラナ州防災局は11日朝、何らかの被害が報告された市は135市で49万2532人が被災と発表。家屋を失った人は4690人で、4129人が公共の避難所に身を寄せている。同州西部カスカヴェルは被災者15万50人と報告され、最大の被害を受けたとされているが、同じく西部のケーダス・ド・イグアスでは水が引き始めた9日、高さ2メートル以上の木の枝に引っ掛って死んだ牛が発見され、集中豪雨のすさまじさや荒ぶる濁流が農家や農地に大きな被害がもたらしたことを物語っている。
 一方のサンタカタリーナ州では39市2万人が被害を受けたとされ、21市が非常事態宣言中だ。連邦政府は10日朝の会合で、同州に対し300万レアルの支援を約束。同州政府が拠出する資金とあわせると500万レアルが復興支援に使われる予定だ。
 これに対して不満を漏らしているのは、同じく10日に連邦政府から14万レアルの支援を約束されたパラナ州だ。ヴァウジール・ロッソニ州議会議長は、「132市が非常事態を宣言、(10日の時点で)被災者42万2千人と報告されているのに、サンタカタリーナは300万レアル、パラナには14万レアルというのはどういう事か」と憤慨している。
 W杯で人の動きが大きくなっているが、南米では隣国アルゼンチンの天候が不順で、南大河州でも霧のため10日に航空空便キャンセルが相次いだ他、11日には雹を含む降雨の予報が出た。パラナ州西部は14日以降の雨が予想されており、地盤が緩んだりした地域を中心に警戒が必要だ。