W杯がきょう、イタケロン・スタジアムで開幕する。しかし開催12都市で大会前に完成すべき市街地の交通インフラや空港工事は、51・7%しか納入されていないことがG1の調べでわかった。11日付け同サイトによれば、納入された45件の工事も、15件は工事の遅延や中止で未完成のままだという。
予定されていた交通インフラ整備工事74件と空港関連工事13件のうち、32件は大会用には間に合わないと判断された。他の10件は12日まで、あるいは試合開催中に完成する予定だ。
工事の遅延や中止の理由には、ビューロクラシー(行政手続きの煩雑さ)や想定外の出来事、土地収用の司法手続き、当初の計画の変更、建設業者に関する問題などが挙げられている。
南大河州では11件のうち9件が大会後に終了する予定だ。ポルト・アレグレ市は既に昨年12月の段階で、工事の大半が大会前に終わらないことを認めていた。現在同市ではスタジアムの周辺工事に集中しており、15日に終了予定だ。
麻州のクイアバ市では10件の工事のうち7件が大会終了後の完成となる。遅れに遅れているマレシャル・ロンドン国際空港の拡張もその一つで、現在の完了予定は8月となっている。
リオ市では4件のうち3件が納入されたが、うち2件は未完成。マラカナン総合競技場に隣接する鉄道とメトロを結ぶ駅(Estação Multimodal)の改修は、先月までに完成予定だったが、今月15日に変更された。
都市省によれば、連邦政府は2007年以降、交通インフラ整備に1430億レを投じており、そのうち約70%にあたる1020億レを開催12都市の工事に割り当てている。国から予算が出た工事については州や市に実施の責任がある。
競技場周辺は特別体制
なお、12日に開会式と開幕戦が行われるサンパウロ市ではサポーター6万人がイタケロン・スタジアムを訪れると見込まれており、市内の各交通機関が特別の交通網を整えて大量の人数移動に備える。
イタケロン・スタジアムのセトール・レステ、ノルテへの入場者はCPTM(都電)と地下鉄のイタケーラ駅からのアクセスとなるため、ルース駅とイタケーラ駅をむすぶ「Expresso Copa」(所要時間19分)を使うと速くて便利だ。
セトール・オエステ、スルへの入場者は、地下鉄3号線アルトゥール・アルヴィン駅からのアクセスとなるので、地下鉄を利用するといい。
交通技術公社(CET)は午前9時から市内26カ所を通行止めとする。その他の6カ所は許可を取った車両のみ、2カ所は地域住民と商業関係者のみの通行となる。
周辺を走るバス77路線のルートは、試合開始の6時間前から試合後2時間の間、変更される。詳細はG1サイトやCETサイトで確認できる。