W杯向けの仮設座席の安全基準認可が出ないまま、13日のメキシコ対カメルーン戦が行われた北大河州ナタルのアレーナ・ダス・ドゥナスが、米国対ガーナ戦の行われる16日に消防の安全基準認可を受けたが、同じ日、同市での水害を理由にナタル市長が非常事態宣言を出したと16日付各紙サイトが報じた。
ナタル市では13日のメキシコ対カメルーン戦も降りしきる雨の中で行われ、13日~15日に6月の平均降水量を上回る333ミリの雨が降った。この雨で、15日未明は高級住宅地のアレイア・プレッタ、16日も一部住民が避難したマイン・ルイーザ地区で土砂崩れ発生など、広範囲で被害が出ている。
16日付エスタード紙によれば、同市を襲った豪雨は防災用の貯水池四つが溢れるほど激しく、防災池から溢れた水が南部と西部の家屋30軒に浸水被害をもたらしたほか、土砂崩れによる家屋崩壊と、丘のふもとのビル2軒に流れ込んだ土砂と水で住民の出入りが妨げられるといった被害が続出。16%の給与調整を求めて11日に始まったバス運転手らのストは16日も続き、市内の移動を困難にしている。
ナタル市はW杯開催12都市の一つで、19日には日本対ギリシャ戦、24日もイタリア対ウルグアイ戦が行われる。13日の試合は架設の座席や手すり、階段などの問題が残り、一部座席が使えないまま行われたが、これらの問題は16日朝の監査までに解決し、正式認可が下りた。
16日の試合は米国のジョー・バイデン副大統領も観戦する事になっており、16日午後5時に特別機で来伯。バイデン氏は試合後にブラジリアに向かい、17日にジウマ大統領と会談を行う事になっている。