5月25日に行われたコロンビア大統領選挙の決選投票が15日に行われ、現職のフアン・マヌエル・サントス大統領(62)が一次投票でリードしていた野党候補のオスカール・イヴァン・スルアガ氏を破って逆転勝利し、2期目への続投を決めた。16日付伯字メディアが報じた。
サントス大統領は780万票(得票率50・98%)を獲得、690万票(同45・06%)を得たスルアガ氏と90万票の僅差で当選した。しかし、棄権率の高さが目立ち、一次投票では有権者の61%、二次では53・5%が票を投じなかった。また、4・0%の票(62万票弱)が無効だった。
同大統領は同日、首都ボゴダの選挙対策本部で約40分にわたる勝利演説を行い、「今度こそ長く悲惨な抗争の歴史に幕を閉じ、犠牲者への敬意を込め、戦いで疲弊した国の再建と平和のために結束する」と約束するとともに、「50年にわたる暴力の終息とこれまで以上にジュスチッサ(正義、法的秩序)のあるコロンビアの始まり」を宣言。極左ゲリラのコロンビア革命軍(FARC)との和平交渉、社会改革をまとめ上げる決意を表明した。
選挙は左翼ゲリラへの対応が最大の争点で、サントス氏が和平交渉路線を追求したのに対し、対抗馬のスルアガ氏は強硬路線の復活を強調していた。同国ではゲリラと政府間の抗争が50年続いており、これまでに25万人の死者を出し、500万人が自宅を離れることを余儀なくされた。
サントス大統領は2012年末、FARC指導部との和平交渉をキューバのハバナで開始しており、先週に入って第二のゲリラ組織である国民解放軍(ELN)とも交渉を開始すると発表していた。長年にわたる抗争で疲弊した国民の治安改善への期待は大きく、和平に向けた進展が再選への追い風となったと考えられる。
また同大統領は、選挙キャンペーン中に任期中の経済成長についてもアピールしていた。同国は今年4%の実質経済成長を見込んでおり、任期中は失業率やインフレの抑制に成功していた。
同大統領による左翼ゲリラとの和平交渉は、米国政府、欧州委員会、国連人権理事会、米州人権委員会、米州機構など重要な国際機関からも支持を集めていた。
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