今回のワールドカップに関して現時点でもっともアンラッキーな観光客はこの二人だろう。オーストラリアからのある新婚夫婦は13日にバイア州サルバドールで行なわれたオランダ対スペイン戦を見るために航空券を買ったが、着いたところはメキシコに近い中南米の国エル・サルバドルのサン・サルバドルだった。「乗換えがあるものだと思っていたら何もなかった」と夫が語るように、見知らぬ中南米の国に取り残されたまま、夫婦はテレビで同試合を見守った。業者は過ちを認め、損害賠償金を払う予定だという。この試合は優勝候補のスペインをオランダが5対1で撃破し、世界的話題となった一戦だった。
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15日夕方、リオのマラカナン・スタジアム近くで軍警の動向を撮影していた「グローボ紙」の女性新聞記者ヴェラ・アラウージョさんが、軍警に捕まり、車に乗せられえ警察署まで連れて行かれる事態が起きた。ヴェラさんはこの日行なわれたW杯の「アルゼンチン対ボスニア」戦の前に立小便をするアルゼンチン応援団を軍警が逮捕する瞬間を撮影していて、このような処遇を受けたという。軍警はこの件に携わった軍曹の処分を発表している。
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ワールドカップ開催期間中もマニフェスタソンは続いており、パラナ州クリチーバでは16日、銀行やバス停などを襲ったとして11人が逮捕された。バイア州サルバドールでは、W杯への小規模な抗議デモの中に酔った観光客が参加し、その模様を別の観光客の一団が写真に撮る光景も見られた。もはやこれもW杯の一部か。
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