ギド・マンテガ財相は16日、株式市場の活性化プログラムの発表を行なった。中小企業の株購入者への免税措置や固定金利の上場投資信託(ETF)の課税率規定などを盛り込んだプログラムは、連邦政府とサンパウロ証券商品先物取引所(Bovespa)、有価証券取引委員会(CVM)が連携する形で実行に移される。17日付伯字紙が報じている。
今回のプログラムの目玉のひとつは、中小企業の株購入者や中小企業の株を取り込んだファンドへの投資者に対する所得税の免除だ。上場企業の株購入者らには15%の所得税が課せられるが、中小企業株購入者らへの課税率は0%となる。
所得税免税の対象となるのは時価7億レアル以下の企業か、株式公開前の年度の年商が5億レアル以下の企業の株だ。また社会経済開発銀行(BNDES)は中小企業が公開した株の20%を買いとり、証券市場への中小企業の定着を図る。
このプログラムの対象は二部上場の企業株も含んでいる。免税措置は個人による株購入という直接投資とファンドを通して間接的に行なった投資の双方に適用される。
市場活性化措置は2023年までで、マンテガ財相は「うまく機能すれば期間延長もありえる」としつつ、「措置が延長されるのを待たず、今すぐ有効に活かすべきだ」と語っている。
また、同相によると、連邦政府とBovesp、CVMが共同で、中小企業株への投資家に対する徴税法を簡略化するための作業を行なうことも発表し、90日以内に草案を提示するとの意向を表明した。現在は、当月発生した利益に関する税金は翌月末までに納入することになっている。
また、インフラに対する投資債券の免税も、対象となる債券発行期間を2015年までから2020年12月31日までに延長。対象業種は従来の交通やエネルギー、物流関係に加え、教育や保健、水力発電、灌漑、環境などにも拡大された。免税となるプロジェクトは実行に平均4年がかかる規模のものだ。
また固定利率の上場投資信託(ETF)の創設も発表された。新しいETFへの課税率は180日までのものが25%、720日までが20%、720日を超える場合は15%となっている。
ブラジルの中小企業の数はこの10年間で増えており、零細・小規模企業は2002年の480万が12年には630万、中小企業は3万が7万に増えている。