向こう16年間のサンパウロ市の新たな総合開発戦略を定める法案(プラノ・ジレトール)の最終修正案がまとまり、サンパウロ市議会は今月中にも投票を行う意向だ。同開発法案は各部門の社会政策を網羅し、社会事業向け特別地域(Zeis)に指定した土地に大衆住宅を建設するという住居政策なども含むが、民衆のコッパ(Copa do Povo)と称してホームレス労働者運動(MTST)が先月から東部イタケーラ区で占拠している私有地は対象から外し、同私有地のみを扱う特別法案が提出された。16日付G1サイト、17日付エスタード紙等が報じた。
開発法案の報告担当ナビル・ボンドゥキ市議(労働者党・PT)は16日午後、「民衆のコッパの土地はプラノ・ジレトールには含まない」と明言。修正案に関する審議もすでに済み、本質的な変更はないとした。
民衆のコッパを開発法案から外したのは同法案の承認を急ぐためで、18日付エスタード紙によれば、その発言から24時間以内に、同党のアルフレジーニョ市議が、現在は工業用地となっている民衆のコッパの土地をZeisに変更し、大衆住宅を建設するための特別法案を提出した。
もしこれが議会で承認されれば、MTSTはイタケーラの占拠地に政府の居住政策ミーニャカーザ・ミーニャヴィーダの一環として2千軒の大衆住宅建設を都市省に求めることが可能となる。
MTSTリーダーのギリェルメ・ボウロス氏は5月末のジウマ大統領との面談で、イタケーラの土地に大衆住宅を建設するという約束を取り付けていた。この件に関する連邦政府と市役所、MTST間の合意は、W杯直前に確認されている。
同市議によれば、この土地に建設する住宅には家庭収入3最賃(現在は2172レ)以下の家族が住むことになるが、入居者の選別は連邦政府と市役所が行う。
これに対し、社会民主党(PSD)のジョゼ・ポリセ・ネット市議はイタケーラの土地の用途は変更せず住宅を建設する案を出したが、サンパウロ市議会はPT議員が多く、同案が承認される可能性は低い。同議員やPSDBの市議らは、PTのやり方は、大衆住宅建設を求める住民が列をなしている中でMTSTの運動家の要求だけを優先するものだと批判している。
プラノ・ジレトールは基本となる法案が4月30日に可決された後、5月末に342項目が修正された。MTSTなどのセンテット集団は日頃から大衆住宅建設を訴え、時には環境保護地区に指定されている土地まで占拠しており、修正案の早期承認を求めて市議会前で抗議行動を行ったり、投票の場に入り込んだりもしていた。
プラノ・ジレトール修正案の住居政策の対象の土地には、センテット集団が市南部で占拠している4カ所の土地(ファイシャ・デ・ガザ、ノーヴァ・パレスチナ、カパドシア、ドナ・デダ)が含まれている。
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