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W杯特集「戦うにはまず敵を知れ!」 コロンビア料理『Guanahani』

 25日にクイアバで対戦するのは、南米予選を2位で突破し4大会ぶりのW杯出場となる強敵コロンビア。この試合で決勝リーグ進出かどうかを決める、天下分け目の一戦になる可能性が高い相手だ。
 人口・経済ともに堂々南米3位、有数のコーヒー産地でもあるが、内戦、コカイン、殺人…など危険なにおいもプンプン。選手も攻めが得意というだけあって、ハングリー精神の塊のような風貌だ。ひるむな農耕民族日本人! まずは食から攻略だ! ピニェイロス区で現地人シェフが腕を振るう「Guanahani」に潜入するぞ~。

キンカン入りモヒート

キンカン入りモヒート

 ランチメニューは20~40レ程度。見慣れない名の食べ物が並ぶので店員に尋ねると、同国中西部のパイサ地方が発祥という「バンデハ・パイサ」が国民食という。
 「このモヒートうまいなあ。見た目もまるで南国美女…」。ミントの葉が涼しげなモヒート・ドウラードをすすっていると、異変に気がついた。この黄色い果物は一体…普通、モヒートといえばライムでは?
 「もしや毒?!」。危険を察知して緊張が走り、忍者アラームが脳裏に鳴り響いた。急いでメニューに目を通すと、そこには「KINKAN」の文字が。コロンビアにもキンカンがあるのか、それともシェフの創作か。意外な日本食材の登場に戸惑う隊員だったが、滅茶苦茶うまいのでオッケー! 
 続いて、どーんとテーブルに置かれたバンデハ・パイサの巨大な皿を見て、隊員に衝撃が走った。ご飯の上にリングイッサ、豆の煮込み、目玉焼きにバナナ…これはどう見ても、サンパウロ市民が月曜日に食べるアレ、「ビラード・ア・パウリスタ」じゃないか! 
 「これがコロンビア料理だと? パウリスタ(サンパウロ州人)をなめるなよ~!」。バスッ、バスッと手裏剣が店内を飛んだ。おびえた店員は「本当ですよ~! ほら、このとうもろこしの粉を固めて焼いた『Arepa』も、向こうのインジオの伝統料理なんです」と涙目で弁解した。食べてみると、確かにミンチの煮込みもコリアンダーがきいているし、ビラードとは似て非なるもののよう。
 後で調べてみると、食のサイト「Paladar」にビラードの存在を示す最古の記録は1602年のものとあった。バンデイランテス(ポルトガル人奥地遠征人)らが旅行時に提携した食料が、ビラードとして現在に伝わったのかも。
 高タンパク・高脂肪・高カロリーなのは、厳しい遠征=肉体労働に耐えるため、というわけか。同国サッカー界の猛者たちも、これで体力をつけているに違いない。攻撃力の源は食にありか。 
 ただし、味も開拓者時代からの伝統なのか、全てにおいて大雑把。シェフのお勧めセビッチェ2種も試してみたが、「チリに近い国だしうまいはず」との予想は見事に裏切られた。
 コロンビア料理は質より量、テクニックよりパワーで勝負とみた。柔よく剛を制すの精神で、折れない柳の枝のように戦え、ニッポン!

 ◆Guanahani

【営業時間】火~金=正午~午後3時、午後6時~深夜0時、土曜=午後1時~4時、午後6時~午前1時、日曜=正午~午後4時
【住所】Rua Joaquim Antunes, 391, Pinheiros
【電話】(11) 3060-9169
【サイト】www.restauranteacropoles.com.br

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「忍者ぐるめ隊」欄は、本紙記者が市内レストラン等をこっそりと〃お忍び〃で訪れ、日本人の視点から味・接客対応・トイレの清潔度をチェックして、ばっさりコメントするコーナーです。評価欄は、手裏剣1つは「普通」、2つは「旨い」、3つは「最高」で、〃要注意〃には爆弾マークが付きます。(《註》なお、この欄はほぼ冗談です。お店の方、本気にしないで)