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三菱商事 松永氏が社長に就任=黒子氏は関西支社副社長に

ニッケイ新聞 2014年3月27日
同社本部で、黒子さん(左)と松永さん

同社本部で、黒子さん(左)と松永さん

ブラジル三菱商事の取締社長に昨年就任した黒子多加志氏(54、東京)が、日本側の急な欠員に伴い退任したため、松永愛一郎氏(51、岡山)が新社長に就任した。黒子氏は帰国後、関西支社の副社長およびエネルギー事業部長を担う。

エネルギー関係の専門家で、1982年から燃料グループ(現エネルギー事業グループ)で炭素製品の業務に携わり、89年から3年間ブラジルに駐在した。米国、オーストラリア、英国等での勤務を経て、当地社長に就任していた。

過去1年間で、大手造船会社エコビックスへの出資、ゴイアニア州の穀物会社「ロス・グロボ・セアグロ・ド・ブラジル」および、南麻州のエレベーター製造会社「LGテック」の子会社化などが実現。

昨月行われたLGテックの買収により、同商事は中南米で最大の昇降機市場である当地に日本メーカーとして初参入する。「ブラジルはポテンシャルを秘めた将来性のある国。生活を向上させるため日本の技術を導入し、さらに投資もしていきたい」と当地での事業に前向きな姿勢を見せた。

松永さんは3月1日付けで南米統括付に就任していたが、黒子氏の退任に伴い社長職を引き継いだ。南米統括補佐およびアスンシオン駐在事務所長も兼任する。

京大法学部卒、1986年に入社。スペイン語に堪能で、メキシコに2回計14年間駐在、中南米の電力ビジネスに携わった。

「短期的数字も大事だが、ブラジルは深海油田の開発やバイオエタノールの利用など中長期の戦略に強い。こちらもW杯、五輪の波に乗って中長期的にやっていきたい」と話した。

同社の事業は食品、製造、インフラが3大柱。バイーア州サルバドール市にある職業訓練学校への支援や、ベレン郊外での植林事業など、社会貢献事業も多数行っている。