ブラジル・バール・レストラン協会(Abrasel)が27日、W杯開始とマニフェスト(抗議行動)の沈静化で、6月のバールでの売上げは120億レアルに上る見込みだと発表した。
同協会によると、W杯前半の2週間(グループ・リーグ開催期間中)を見ると、ブラジル戦がある日の売上げは平均して平常時の70%増しだという。サンパウロ市のヴィラ・マダレナなど、バールの多い地域では、通常の2~3倍増というところもあるという。
バールやレストランの売上げは、昨年6~7月に開催されたコンフェデレーションズ杯の時も80億から90億レアル増額したが、W杯は開催期間がより長く、国内外からの客も多いため、予想を上回る売上げ拡大となったようだ。
同協会のパウロ・ソウムッシ・ジュニオル会長によると、顧客は試合の放映時間を眼一杯利用しようとする上、試合後の祝勝会もかねたりするため、店に止まる時間も通常のW杯より長い。また、ブラジル戦やウルグアイ、イタリアなどの優勝経験のある国の試合の日はもちろん、国外で開催されたW杯では集客率が高くなかったイランなどの試合でも客が集まってくるという。
決勝トーナメントに入ってからは試合の回数が減るが、同協会は、W杯開催期間中は、ブラジルがどこまで残るかとは無関係に試合観戦客が集まると見ており、7月もW杯効果は続くと踏んでいる。
ただし、レストランの場合はW杯の効果はあまりなく、観光スポットに近い店以外は期待したほどの売上げ増は起きていないという。協会では、レストランでの売上げが伸びなかったのは、グループ・リーグの間はほとんどの試合が午後1時から午後7時までの間に終わった事と、自宅で観戦する人達も多かったためと見ている。
サンパウロ州スーパーマーケット協会(Apas)によると、グループ・リーグの期間中は肉やピポッカ(ポップコーン)、サウガジーニョ、ビール、炭酸飲料などの売上げが伸びており、国民の88%は食べたり飲んだりしながら試合を観戦するという調査結果を裏付けた。
Apasによると、観光客が滞在している事などから、サンパウロ市内の消費量はブラジル戦のない日も増えており、6月の売上げは通常の月の5%増と見込んでいる。
ホテル業界ではW杯効果は6~7%で、期間中は6億5千万レアルの増収と踏んでいるが、W杯期間中は60万人の外国人旅行客が来るからと期待していたのに、期待したほどの増収となっていないのがホテル業界や航空機業界だ。経費節約のために海岸やバスターミナル、車中で寝泊りする観光客も多い事などもあるのか、これらの業界では宿泊料金や航空料金を値下げして集客を図っているのが実情で、値下げ率は最大40%に達しているという。(6月28日付エスタード紙より)