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リオ市=W杯観戦者の宿泊場所は=海岸やターミナルは禁止に

 自国チームに出来るだけ近い所で応援し、W杯を思い切り楽しみたいという人にとり、宿泊費を浮かせるための格好の場所だったリオデジャネイロ市コパカバーナの海岸やバスターミナルが野宿禁止となった。
 1日付エスタード紙などによると、まともな食事や入浴もせず、地面や床で眠り、ヒッチハイクで旅をするのをいとわないという人達にとって、大切なのは応援するチームの近くにいて声援を送る事だ。
 ところが、そんな人達があてにしていた海岸での野宿が禁じられ、ターミナルも乗車券を持っていないと入れてもらえなくなった。代わりに提供されたのはサンバ会場のテレイロンやガレオン国際空港のファン・ゾーンで、どちらも無料だ。
 テレイロンで宿泊するコロンビア人青年7人はバスやヒッチハイクでリオまで来ており、旅は大変だったけど、30日で2700レしか使っていないという。
 最初の2人はバスでアルゼンチンへ行き、15日滞在した後、トラックに便乗させてもらってパラナ州カスカヴェルまで来た。その後は2日間で約70キロを徒歩で旅行した上、ヒッチハイクでコロンビア対ギリシャ戦が行われたベロ・オリゾンテを経て、リオまで来た。別の5人はヒッチハイクとバスでブラジリアまで行ってから、リオにたどり着いた。途中の食事や入浴はガソリンスタンドで済ませ、ベンチや簡易宿泊所、友人の家などで泊まったという。
 何人かは観戦しに来られなくなった人から実費で買った入場券を持っているが、それ以外の人は法外な金額を吹っかけられて入場券が買えない。それでも、コロンビアが4強入りしたらベロ・オリゾンテに行くという。
 リオ市に着いて最初に泊まったバスターミナルには食事をする場所もあり、5レアルで入浴も出来た上、警備員もいた。6月28日までは試合観戦用のコーナーで眠れたが、その後は宿泊出来なくなった。
 6月29日にバスターミナルで寝袋を広げようとしたチリ人青年は、宿泊禁止となったと知らされ、帰国を決めた。その理由はチリが敗退したからではなく、所持金がなくなったため。「何もかも高い」という青年は、ブラジル滞在中の1カ月間で2千レを使った。
 なお、トン・ジョビン空港にも宿泊可能でテレビもあるファン・ゾーンがあり、ビデオゲームなども出来るが、同空港で10日間を過ごしたウルグアイ在住のブラジル人女性は、シャワー付のトイレがないのが難点と嘆く。決勝が見たくて入場券も買ったが、ホテル代が高くて空港に居るという女性は、一緒にいる外国人達の観光案内や荷物番をする代償として食事代を払ってもらっていた。
 ダフ屋達がうるさいから一時的に他の所へ行くという女性は、決勝戦前日に空港に戻って来るつもりだが、一緒に居るコロンビア人3人は帰国したいのにボゴタへの便は1日1本。航空券が手に入らず、キャンセル待ちの状態だ。「ブラジルはきれいだけど無秩序。W杯は何でも高いし、大勢の観光客を受け入れるための準備が何もされていない」という彼らは、二度とブラジルには来ないとまで話している。(1日付エスタード紙より)