ニッケイ新聞 2014年3月27日
日体大野球部の交流試合で、猛打賞の活躍を見せた丸山智大さん(21、長野)は野球教室で「子どもらが素直。日本の規律あるプレーを上手く伝えられたかな」と振り返った。投手の大橋貴博さん(21、埼玉)は「年下からも積極的に教わろうとする姿勢は、上下関係を重んじる日本では考えられない。年の差に関係なく気軽にコミュニケーションをとる習慣は見習うべき」とも。日本側の選手らも学ぶことがあったようだ。
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今年6月までの2年間、JICA青年ボランティアとして活動する高丸さんは、「野球が人格形成にも一役買っている」と話す。「当初は生意気だった子が、すこしづつ聞き分けの良い子どもになっている」と、指導を通した変化を語る。後片付けや気遣いなど、相手の気持ちを察することができる子に成長するようだ。また球場では、雑草の生い茂るグラウンドの手入れや、座席の掃除に取り組んだり、「日本語を覚えたい」と言い出す子まで現れるなど、間接的な効果も大きかったよう。
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ブラジル三菱商事の黒子多加志・元社長は、「中国は政府と一体になってブラジルに資源を買いにきているが、日本は民間ベース。オールジャパンで戦っていかないといけない」と力説する。同商事は当地の生活向上に貢献しつつも、現地の企業買収による資源と食料の確保に余念がない。国際交流から資源確保にいたるまで、日伯交流の主体は何かと民間が多いが、日本政府も本腰を入れるべき時期では。