ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ州議会=抗議行動でのマスク禁ず=BBらの動き封じるため=自動車販売店襲撃者も逮捕

サンパウロ州議会=抗議行動でのマスク禁ず=BBらの動き封じるため=自動車販売店襲撃者も逮捕

 サンパウロ州議会が3日夜、街頭で行う抗議行動(マニフェスタソン)の際にマスクなどを使って顔を隠す事を禁ずる条例を承認し、アウキミン知事の裁可を待つばかりとなったと同日付G1サイトが報じた。
 同条例は、顔を隠して各種の抗議行動に参加し公共施設や民間施設の破壊行為などを行うブラック・ブロック(以下、BB)らの活動を抑制する事を目的とするもので、抗議行動そのものは禁止しないが、覆面や仮面、バンダナなどで顔を覆って身元を確認しにくくする事を禁じている。同様の条例はリオ州などでも採択されている。
 BBの活動は昨年6月の〃抗議の波〃以降、注目が高まったが、破壊行為への参加者の多くは顔を隠しており、身元の確認や追跡調査が困難だった。サンパウロ州議会が3日に承認した条例も2013年に提出されたものだ。
 そういう意味では、BBが参加した破壊行為に加わったとして2日に逮捕されたジョアン・アントニオ・アウヴェス・ロザ容疑者(46)は、通常のBBと異なる要素を持っている。
 ロザ容疑者は、6月12日にサンパウロ市東部の地下鉄タツアペ駅周辺で起きた抗議行動と、6月19日にサンパウロ市ピニェイロスでの無賃乗車運動(MPL)のデモの際に起きた自動車販売店襲撃事件への参加が判明して逮捕されたが、どちらも顔を隠していない。BBの多くは高等教育を受けているが、同容疑者は社会ネットワークでBBの事を知って参加し始めており、高等教育は受けていない。警察は逮捕の際、自動車販売店襲撃時に使った服や帽子、コンピューターなどを押収しており、他のBB関係者の追跡などを行う意向だ。
 BB関係の動きとしては、6月23日のパウリスタ大通りでのW杯に対する抗議行動で逮捕された英語教師ラファエル・マルケス・ルスヴァルギ容疑者(29)と学生でサンパウロ総合大学(USP)職員のファビオ・ヒデキ・ハラノ容疑者を巡る報道が連日の様に繰り返されている。
 警察は両者ともBBだというが、ハラノ容疑者はMPLの抗議行動に覆面を使わずに参加しており、BBとは無縁と主張するUSP職員らが同大学の正門前を封鎖後に州庁舎までデモ行進、MPLもセー広場で同容疑者の釈放を求める抗議行動を行うなどの動きが続いているが、サンパウロ州地裁は2日に同容疑者への人身保護令適用を却下した。
 サンパウロ州市警の組織犯罪捜査課(Deic)は730人の活動家のリストを持っており、昨年6月の〃抗議の波〃以降、250人の供述を得ている。