ダッタフォーリャが行なった大統領選挙に関する最新の世論調査によると、ジウマ大統領(労働者党・PT)の支持率はW杯への好評価などもあって38%に上がり、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)やエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)との差を若干広げたが、他党候補の支持率も微増したため、まだ一次投票での勝利を確かにしていない。3日付フォーリャ紙が報じている。
1日と2日に全国177市2857人を対象に行なわれた調査でのジウマ氏支持率は、6月3~5日の調査時の34%から38%に上がった。2位のアエシオ氏は前回の19%から微増の20%、3位のカンポス氏は7%から9%とこれも微増だった。
アエシオ氏とカンポス氏の票数を合計すると29%でジウマ氏の38%には及ばないが、エヴェラウド氏(キリスト教社会党・PSC)が4%、ジョゼ・マリア氏(社会主義者労働者連合党・PSTU)が2%、エドゥアルド・ジョゼ氏(緑の党・PV)、マウロ・イアシ氏(ブラジル共産主義者党・PCB)、ルシアーナ・ジェンロ氏(社会主義自由党・PSOL)がそれぞれ1%の支持を得ており、対立候補全ての支持率を足すと38%対38%で、一次投票の結果は「引き分け」で終わった。
さらに決選投票のシミュレーションでは「ジウマ氏対アエシオ氏」の場合が前回の「46%対38%」が「46%対39%」、「ジウマ氏対カンポス氏」の場合は「47%対32%」が「47%対35%」に縮まるなど、依然、ジウマ氏にとっては予断を許さない展開となっている。
だが、今回の調査でジウマ氏が支持率をあげた背景には、6月12日からはじまったW杯が好評なことがあげられる。今回の大統領選と同時に行なわれたW杯関連の調査では63%がW杯に「賛成」しており、開催直前の51%から大幅に改善した。ブラジルの運営に対しては60%が「誇らしい」と答え、65%がW杯開催中のマニフェスタソンは「はずかしい」と答えた。開幕試合でジウマ大統領に飛ばされた野次は「好ましくない行為」と答えた人が76%に上ったことも、同大統領にはうれしい知らせだったはずだ。
また、国民の経済に対する先行き観測もやや前向きなものに変わった。「ブラジルの景気は良くなると思うか」の問いに「そう思う」と答えたのは前回の26%から30%に上がり、「自分自身の経済状況は最良」と考える人も42%から48%に増えた。さらに「インフレ率が上がる」は64%から58%、「失業率が上がる」は48%から43%に低下し、「購買力は上がる」が27%から32%に上がったことも、W杯前半の成功で国民の気分が少し前向きなものに変わったことをうかがわせている。
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