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W杯工事の負債43億レ=利息だけでイタケロン2つ分

 6月12日に始まったW杯は7月13日で終了するが、W杯を開催するために行われたスタジアムの建設や改修に際し、公的な銀行や地域開発用の基金から借り入れた負債額は43億レアルで、返済時の利息も入れた負債額は67億レアルに上るという。
 スタジアムの建設や改修工事の総工費は71億レアルで、負債額は43億レアル。負債額を12~13年かけて返す場合の利息は24億レアルに上り、利息だけで開幕戦が行われたアレーナ・コリンチャンスが二つ建てられるという。
 総工費14億レアルのマネ・ガリンシャは連邦直轄区からの資金だけで建設されたが、他の11スタジアムの建設や改修(総工費3億3千~12億レアル)は当初予算を大幅に上回り、各々1億3100万~6億2400万レアル、総計43億レアルの負債を抱え込む事になった。
 負債額が最も大きいのは総工費6億8900万レアル中6億2400万レアルを借りたバイア州のフォンテ・ノヴァで、12年かけて返す場合の利息は3億3100万レアル。総工費5億3200万レアルのアレーナ・ペルナンブッコも負債が5億3千万レアルで、12年返済の利息は3億900万レアルだ。
 3番目に負債が多いのは、総工費が11億7千万レアルかかったサンパウロ市のアレーナ・コリンチャンスだ。負債額は4億レアルで13年返済の利息は2億3500万レアルかかる。リオ・グランデ・ド・ノルテのアレーナ・ダス・ドゥナスやアマゾナス州のアレーナ・アマゾナス、リオデジャネイロ州マラカナンも負債額が4億レアルで、12年間の返済利息は2億2400万~2億2500万レアル。最も負債が少ないパラナ州のアレーナ・バイシャーダも、総工費3億6千万レアル中1億3100万レアルを借り入れており、13年かけて返済する際の利息は7500万レアルとされている。
 各々のスタジアム建設や負債返済は州や会社、クラブなどの責任で行われ、大半の融資が2011年~13年にかけて行われた。これらの融資は2~3年の猶予期間を経て返済されるため、遅くとも2015年には返済開始となるはずだ。
 スポーツ省では、スタジアムの建設や改修工事は5万人の直接雇用を創出し、所得向上などにより300億レアルの経済効果をもたらしたと試算しているが、州や企業、クラブが負債返済で負う負担の大きさや救済措置については何の言及もされていない。(7日付フォーリャ紙より)