日本祭りは今年も盛況だった。そぞろ歩きを楽しみながら、日本で独自の進化をしていると思っているものが、若いブラジル人の関心を大いに集めていることを目の当たりにし、感じ入った。一昔前の流行りがようやくブラジルにーと印象もあったのだが、日本でも一部にしか知られてない漫画がポ語翻訳されていたり、ゲームも日本と同様の形態で行われていたりと、同時進行で行われているようだ▼食の多様化も進んでいるようで、普段は、やきそば、寿司一辺倒に見える日本食も、レストランなどでは食べられない様々な郷土食が売り切れるなど、日本祭り内に限っては市民権を得ているようだ。そろそろお好み焼きの専門店ができてもよさそうな気がするがどうか▼日本文化、と一口にいえなくなった同祭で、本紙は静岡新聞と『富士山写真展』を開催した。歴史的に見ても、日本人を形づくってきたシンボルとしても、これほど直球な日本文化もないだけに反応が気になったのだが、なかなかの好評だった。モンテ・フジと名前は知られているものの、実際に見た人は少ないようで、山を愛でるという感覚も新鮮だったようだ。「詳しい資料はないのか」「どこで見れるのか」などと問い合わせる来場者も多く、正統な日本文化もさらに伝えるべきだと実感した▼開催期間中、サンベルナルド・ド・カンポ市でブラジル太鼓選手権大会が開かれた。同じ日にぶつけることも多様化を感じさせるが、太鼓も伝統的なものだ。28団体400人が参加し、汗の涙と熱気みなぎる大会だったようだ。新旧日本文化が、変容、混在するのも、ブラジルらしくていい。(剛)