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オーリャ!

 デモで捕まり、しかも薬を飲んでいるというので過激な人物かと思っていたら、原野ファビオ秀樹さんはごく普通の礼儀正しい青年だった。拘留されて何日も経つのに、振る舞いや話し方ではそれを感じさせず、活動家らしい精神的強さのようなものを感じた。
 彼の話を聞きながら、意図的な誤認逮捕というのは、この国ではそれほど珍しくないということを実感させられ、背筋が寒くなった。ならば、民主主義を謳う国で起きている立派な人権侵害だ。
 制服を着た警官が、その辺を歩いている人に危害を加えたりしない。道を聞いても親切に答えてくれる。「警察の暴力」を訴えるデモや報道を見ても、いま一つピンとこなかったが、普段は水面下に潜む〃強面の権力〃が、ふとした瞬間に顔を出すようだ。
 軍政が終わって30年。国民はその名残を感じながら生きているのだろうと想像した。(詩)