リオの裁判所は15日夜、W杯最終日の前夜に市警が実行した「ファイアーウォール作戦」で身柄を拘束された19人のうち、13人の釈放を命じた。残り6人は拘留されたままだ。
市警の要請で同裁判所は先週末、「大会最終日にリオの街中で暴力行為を働こうと目論んでいた」(市警談)という26人の逮捕令状を出した。決勝戦前夜、警察はそれを大義名分とする取り締まり作戦(「ファイアーウォール作戦」)を実行、26人のうち17人の身柄を拘束した。また、その他、薬物を持ち運んでいた1人、許可なしで武器を保持していた1人を現行犯逮捕した。
人身保護令適用を請求した13人全員の身柄釈放を命じた判事は、釈放を決めた経緯を「逮捕令状を出した判事が、彼らが拘束される必要性を証明するものを提示していなかったため」と説明する。
取り締まり作戦では逮捕者から爆弾が押収されたが、それについて市警の爆発物処理班による鑑定書は「殺傷能力があった」と明記している。しかし釈放されたある女性ジャーナリストの弁護士は、逮捕について「正当な抗議行動を妨害し、人々を街頭から取り除くような意図が感じられる横柄なもの」、残り12人の代理人を務める弁護士は「爆発物は警察が仕組んだもの」とそれぞれ主張している。
釈放が決まった日の夜は、リオ市中心部で400人が祝福パレードを行った。
一方、13日に同市北部チジュカ区であった抗議行動では、ジャーナリストやデモ隊が軍警に暴力を振るわれたと報道されたが、この件で15日午後、リオの軍警司令部は4人の警官の行政拘禁を決めた。
処分が決まった警官らはカナダ人ジャーナリストに暴力を振るい、カメラを奪った、カメラマンやデモへの一般参加者に暴行したとされている。(16日付エスタード、フォーリャ紙より)