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BRICSとUnasulの首脳たち(José Cruz/Agência Brasil)
BRICSとUnasulの首脳たち(José Cruz/Agência Brasil)

BRICS=南米首脳たちと合同会議=各国大統領からは大好評=銀行発足を喜ぶ声目立つ=外交面でジウマに好材料

 第6回BRICS首脳会議は16日、セアラー州フォルタレーザから会場を移し、ブラジリアで南米諸国連合(ウナスール)首脳たちとの合同会議を行なった。南米諸国の首脳たちはBRICS開発銀行の発足を高く評価した。17日付伯字紙が報じている。

 16日、BRICS5カ国の首脳はとブラジリアで、ウナスール11カ国の首脳たちと合同の会議を行なった。この会議では、15日に発足が決まったばかりのBRICS開発銀行に関する意見交換などが行なわれた。
 この会合はウナスール諸国の大統領たちに好意的に迎えられた。ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領やペルーのオジャンタ・ウマラ大統領は「BRICSとウナスールが手を取り合った歴史的な日だ」と新興国間の交流の可能性が開けたことを絶賛した。
 また、ウナスールの首脳たちからはBRICS開発銀行の発足を祝福する声が相次いだ。ボリビアのエヴォ・モラレス大統領は「これで国際通貨基金(IMF)や世界銀行だけに依存することで生じていた悪循環が止められる」と語った。また、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領も「(融資を求めるための)別の選択肢は多ければ多いほど良い。世界経済の動きは先が見えない不安定なものだから」と語った。また、デフォルト寸前の経済危機に陥っているアルゼンチンのクリスチーナ大統領も「従来の世界の金融市場では、新興国は雇用破壊や社会不安に苛まれて来ていた」と、同銀行発足による社会変革を期待した。
 今回、ジウマ大統領が合同会議を実現させた背景には、近隣諸国への影響力を強めたいとの意向がある。前年2013年に南アフリカ共和国でBRICS首脳会議が行なわれた際、同国のジェイコブ・ズマ大統領がアフリカの首脳たちとの合同会議を開催して好評を得たことにあやかった会議は二つのグループにとっても意味のあるもので、「BRICSと地域の近隣諸国を結ぶのは必要なことだ」とジウマ大統領は語っている。
 また、これはジウマ大統領の大統領選挙に向けての良いデモンストレーションにもなった。これまで同大統領は、積極的に国外に出向いて外交を行なったルーラ大統領とは対照的に、外交面に関して消極的だと批判されがちだった。今月29日にはベネズエラのカラカスで南米共同市場(メルコスール)の会議が行なわれるため、今回のこの会合が良い弾みになると見られている。
 また、ジウマ大統領はBRICS開発銀行発足以後について「これによってIMFへの参加を弱めるなどという意味ではないし、IMFに反旗を翻すものでもない」と語った。だが、IMFが現在のG20諸国間の力関係を反映したものにはなっていないとし、「先進国との関係においては、これからも常に新興国なりの先進国とは違う姿勢を見せていかなくてはならない」と語った。