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公務員の20%を黒人に=法案が下院通過し上院へ

ニッケイ新聞 2014年3月28日

 26日、下院での投票で、連邦公務員の採用試験では、定員の20%を黒人に割り当てることが賛成多数で承認され、上院に回された。27日付伯字紙が報じている。

 この法案はジウマ大統領からあげられたもので、下院での投票結果は賛成314票、反対36票、棄権6票という圧倒的な多数で承認された。同法案は今後、上院で審議され、そこでも承認を得れば法案成立となる。

 法案が成立すれば、採用定員の20%までは黒人(プレット)もしくは混血系黒人(パルド)と認められた向けに確保される。また、合格後にプレットやパルドでないと判断された場合は特別枠での採用は無効となり、合格通知が来ていても取り消しとなる。

 この割当が適用されるのは連邦官庁や公社、公団、国が管轄する経済団体などで、ペトロブラスや連邦貯蓄銀行(CAIXA)、ブラジル銀行、郵便局などが含まれる。

 この法案は、国民の50・74%が黒人やパルドでありながら、連邦の重要な役職で黒人が占める割合が30%を大きく割り込んでいることから作成されたものだ。

 州レベルではこの法案と同趣旨の対策が、リオ州、南大河州、パラナ州、南マット・グロッソ州などですでに実施されている。

 法案は圧倒的多数で承認されたが、26日の下院では議論も起こった。「ペルナンブッコ州のセルトンでは、白人が貧しくて黒人が裕福だった場合もある」と語ったキリスト教社会党(PSC)のシルヴィオ・コスタ下議のように、定員割当が逆差別的なものとなると危惧する声も出たが、報告官役の労働者党(PT)下院リーダーのヴィセンチーニョ氏は「大学では黒人学生が2%しかいないという、社会の歪みを正すためのものだ」と主張している。

 黒人割当制を実施した大学では、優待入学をした黒人学生が他の学生より成績が優秀であるなどの実例もあるという。