ニッケイ新聞 2012年1月5日付け
質問=65歳男性です。年齢による資格で年金を受給し始めました。手元にあったカルネ(INSSを支払った証拠書類)は自分で支払った自分名義のもので、支払い期間は1984年〜2005年まででした。ところが、出稼ぎから帰ってきて、古い帳簿の中から1974年〜1983年までの支払い済みのカルネが出てきました。会社名義だけで払っていたと思っていましたが、うかつにもその期間自分名義でもINSSを払っていたことがわかりました。友人には、弁護士に依頼してrevisaoをしてもらわなければ素人には無理だと言われたのですが、どうすればよいでしょうか。
回答=INSSに行って、その期間支払った分を含め計算し直してもらう、つまりrevisao(計算のやり直し)を申請してください。
委任状を渡して弁護士や会計士、デスパシャンテなどに依頼することもできますが、手数料がかかりますので、ご自身で申請されれば良いと思います。INSSはそういったことを親切に応対してやってくれます。ポ語が不得手な方は、通訳とともに行かれると良いと思います。
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質問=長年の親友だった女性が、最近私の悪口を周囲に言いふらすようになりました。社会的に信用を失いかねない、例えば私が信用に値しない人間だとか、お金に関しては気をつけたほうが良いとか、そういう身に覚えのないデタラメを言いふらしているようです。彼女を訴えることはできるでしょうか。
回答=できます。名誉毀損(difamacao)にあたりますので、刑事、民事の両方で裁判にかけることができ、損害賠償も受け取れます。
ただし、そういう行為があったという証拠が必要になります。法廷に立って証言してくれる人、つまり証人が必要ですが、今回の場合は、彼女があなたの悪口を言っているとあなたに伝えてきた人が最もふさわしいと思います。
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質問=隣の女性の部屋に毎晩男性が訪れ、売春を行っているようです。気分が良くないのですが、どうすればよいでしょうか。
回答=ブラジルでは、売春行為そのものは法律で禁じられていません。ただし、周囲に迷惑をかけること、風紀を乱すことは禁じられています。
あなたが気分を害している、子供の教育に悪影響を与えているなどアパート全体の雰囲気が乱されているようであれば、やめさせるべきでしょう。
まずはアパートのsindico(管理人)に相談すべきでしょう。Sindicoは全ての住人にアパートの規定を守らせる権利と義務があります。Sindicoが解決してくれないようなら、売春をやっているという証拠があればそれで警察に訴え、裁判にかけることができます。
証拠なしで警察に訴えれば調べてもらうこともできますが、もしやっていないことがわかったら、名誉毀損で逆に訴えられます。
証拠といっても、部屋を訪れている男性は証人にはなってくれないでしょうから、引っ越される方が早いかもしれません。
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