ブラジルで空前の不動産熱=米州一高いリオのビル=空き物件もほとんどなし
ニッケイ新聞 2012年1月10日付け
リオ・デ・ジャネイロ市の不動産に人気が集まり、賃貸料が高騰、空き物件も少なくなっている。1、4、8、9日付エスタード紙が報じている。
住宅調査会社クッシュマン&ウェイクフィールドの調べによると、商用ビル1平方メートル(平米)の平均価格が米州で最も高いのはリオデジャネイロで、69・4米ドル/平米だという。これはニューヨークの中心部ミッドタウンの62・6米ドルを上回っている。
また同時に、リオは現在賃貸物件の空きがない地域でもある。2011年第3四半期の不動産全体における空き物件の割合を見た場合、リオはわずか3・1%しかなく、この10年でも過去最小となっている。
この背景には、ここ数年続くリオの不動産の急激な人気上昇があるとされ、とりわけ外国人や他州からの人による物件探しが目立つという。不動産会社リオ・ア・ロペスのルイジ・ガイノ・マルチンス社長は「現在リオの不動産売買交渉の10%はリオ以外の人によるものだ」といい、原因としては「ワールドカップやオリンピックといった大きなイベントも理由ではあるが、警察によるファヴェーラの取締りが厳しくなったことで安心感が生まれたことが大きい」と語っている。
また、外国からの居住者は、絵葉書で見て憧れたイパネマなどの海岸部に近い地域を希望し、周辺にあるファヴェーラも気にせず、むしろ、それがどういうものであるのか間近に知りたいと思っているという。
一方、サンパウロ市もリオ同様に賃貸価格は高く、商用ビル1平方メートルあたりの平均価格は60・3米ドルと、リオ、ニューヨークにつぎ米州で3位につけている。クッシュマン&ウェイクフィールドの調べによると、商用ビルの価格が一番高いのはファリア・リマの146・3米ドルで、ビルの賃貸物件の空きが最も少ないのはイタイン・ビビの0・9%。また、海外不動産投資協会の調べによると、サンパウロ市は海外からの不動産投資市場において世界で4番目に人気の都市だという。
また、3日に経済調査院(FIPE)が発表したところによると、2011年の住宅賃貸料は、リオは前年度比27%、サンパウロ州は同26・3%高騰している。