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ハイチからの移民を制限=闇ルートへの対策強化も

ニッケイ新聞 2012年1月12日付け

 ハイチからの不法移民急増を制限するため、連邦政府が10日、新たな対策を採択する意向を明らかにした。11日付伯字紙が報じた。
 2010年1月に首都ポルトーフランスを壊滅状態にした大地震以来、ハイチからの移民は急増している。現在国内にいるハイチ移民は4000人と推定されているが、正規ルートで入国したのは1600人だけだ。
 政府としては、ハイチからの移民への就労ビザ発給を月100人までに制限し、有効期限も職業証明が確認された時点から5年以内とする。過去20年で、外国人へのビザ発行に年数制限を設けるのははじめてで、発給費用は無料。「ハイチ国民の経済事情を考慮し、それをブラジルの人権法に対応させた」とカルドーゾ法務相は語っている。就労ビザの件は国家移住審議会で今日審議され、承認され次第、官報に掲載される見通しだ。
 また、ビザ発給以外にも、エクアドルとボリビア、ペルーなどの外交機関とブラジル警察の強化を促す内容の不法移民対策案も発表された。
 ハイチからの不法入国には、コロンビアのパナマ〜エクアドルのキト〜ペルーのリマを経て、ボリビアと国境を接するアクレ州に入るルートがある。6日間の闇ルート利用するハイチ人は、仲介役のボリビア人への報酬300米ドルなど3000米ドルを払うという。
 国境のアクレ州ブラジレイアにはハイチ人が1250人おり、社会保障費に150万レアルを費やした州政府は、先週から不法移民を州外に出す処置を導入。1日約35人のハイチ人に長距離バス料金を払ってロライマ州都などに送り、仕事口を探させることでブラジレイアのハイチ人は1050人に減ったという。