ニッケイ新聞 2012年1月18日付け
昨年8月以降、ブラス駅からとなっていたパウリスタ都電公社(CPTM)のトゥルケーザ10号線(リオ・グランデ・ダ・セーラ行き)の発着が、今後も継続されることとなった。17日付エスタード紙が報じた。
ルス〜ブラス間の運行停止は施設の交換などのためだったが、今後もブラスを10号線の発着駅とするという決断は、文化遺産に指定され、改修や拡張工事などが制限されるルス駅で、利用者に危害が生じる事態を避けるための技術的な判断だという。
ルス駅は地下鉄とCPTM、計六つの線の中継点で、ブタンタンまでを結ぶ地下鉄4号線がルス駅まで延長されて以来、利用者がさらに増大していた。そのため、1日40万人が利用する10号線発着駅がブラス駅となることで、ルス駅の混雑は軽減される。CPTMは、この変更で、ピーク時に発着する電車の間隔を6分から5分に短縮できるとも考えている。
だが、10号線でサンパウロ市中央部まで来ていたABC地区の利用者にとっては、ルス駅まで行けなくなることで地下鉄1号線と4号線に直接つながらなくなってしまうが、CPTM側はそうした問題に対し「ルス駅まで行かなくとも、タマンドゥアテイ駅で地下鉄2号線に乗り換えれば、1号線にも4号線にもつながる」と反論している。
また、これまで10号線専用に使っていたルス駅の1番ホームを、ルビ7号線用に振り替えることも決定。7号線利用者は、CPTMで最も混むコラル11号線と同じプラットホームを利用していたため、列車が着くたびに両線の乗降客が押し合いへし合うのが当たり前だったが、これからは乗車用と降車用のプラットホームが分けられ、混在が解消される。10号線もブラス駅では乗車用と降車用のホームが分割され、ルス駅でのような混乱がなくなる。
また、14日付フォーリャ紙によると、地下鉄2号線は22日より日曜と祭日の部分運休を行う(25日は通常運行)ことになった。運休時間は午前4時40分から正午までで、5月までは駅と駅の間といった短距離での運休だが、6月は全線対象となる。これは、列車間の距離を短縮し、運用能力を20%高めるための信号システム導入のための試験処置。システムが上手く機能すれば、下半期には、ピーク時の運行間隔を現状の132秒から106秒に短縮できると見込んでいる。
テスト期間中、運休区間では連絡用の無料バスが運行される。下半期には、1号線と3号線でも同様の処置がとられる予定だという。