ニッケイ新聞 2012年2月2日付け
沖縄・日本料理店「おいシーサー」の経営者夫婦、佐辺千歳さんと仲村渠ノエルさんは、元々メキシコで食品業界とは無関係の日系企業に勤務していた。
千歳さんは「残業も多くて働きづめ。仕事は日本人並み、給料は現地並みだった」と当時の生活を振り返る。「ゆっくり会話が出来たのは通勤の車の中だけ」。何のために仕事をしているのか—人生で何が一番大切かを考えざるを得なくなった。
出した答えは「家族」だった。「いずれは子供も考えたい。自分らしい生活を」と思い切って人生に区切りをつけた。
店は少しずつ軌道に乗り客も増えている。伯墨と国籍は違っても、「沖縄・日本文化を伝えたい」という共通の目的が夫婦を支えている。2人の新しい門出の成功を祈りたい。(阿)