ニッケイ新聞 2012年2月3日付け
ラ米一の規模を誇るサンパウロ州のサントス港が2日で設立120周年を迎え、それを記念した行事や資料の作成が行われている。2日付エスタード紙が報じている。
1892年2月2日、まだサントスの中心街がヴァロンゴと呼ばれていた頃、サントス港は260メートルに及ぶ埠頭と共にその歴史の幕を開けた。サントス港に最初につながれた船はイギリスからの蒸気汽船ナスミス号。創業年の出荷量は12万5千トンだった。
それから120年、現在のサントス港は年間9700万トン以上の荷を扱い、14キロメートルの埠頭を誇る巨大な港へと成長した。120年の間には、日本の笠戸丸はじめ、世界中からの移民がサントス港からブラジルに広がって行った。
このサントス港の設立120周年を祝い、様々な企画や行事が行われている。古い倉庫は近年中に改修されてレストランやバー、アトリエも設けられる予定で、八つの倉庫の内二つは、サンパウロ総合大学(USP)とサンパウロ連邦大学(UNIFESP)が管理することになっている。
ネット上では「擬似博物館」とも言うべきサントス港開港記念サイト(http://arqueoparque.com/Comunidades/Museu_Virtual/Galerias/Santos_Cultural)を開設。港の従業員と近隣住民の証言からなる「Paisagen Culturais da Baia de Santos(サントス湾の文化的風景)」も記念出版される。2年間の月日をかけて集めた過去の資料と証言からなるこの労作は学校や図書館に無料で配布されるほか、インターネットでダウンロード(http://www.portodesantos.com.br)も可能だ。また、サントスの小学校でも利用が可能なように子供版まで作られている。
また、開港記念行事も満載だ。現在、サントス港の第1ターミナルから、サントスの市や港の歴史を語る案内つきの遊覧帆船が45分おきに出港している。また、本日午後8時からはサントス市立劇場で記念ミュージカルが開催され、演奏は港に関係する機関所属の音楽家たちが担当する。これらの催しは2月一杯続く。また、2月25日午後4時からは、市役所前から海岸まで自転車で散歩する「ペダラ・ポルト」が行われる。3月2日には、市中央部にあるカーザ・ダ・フロンタリア・アズレジャーダで、市内の公立校生徒360人による写真とステンシルの展示会が行われる。記念行事は4月29日の遠歩会をもって終わる。