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3空港民営化への入札終わる=落札額は底値の4倍に=W杯までの拡張など約束=需要拡大で高まる期待

ニッケイ新聞 2012年2月7日付け

 サンパウロ州のグアルーリョスとヴィラコッポス、ならびにブラジリアの3空港民営化に向けた入札が6日に行われ、3空港の拡張や運営改善に向けた取組みが本格化する。

 経済成長と所得向上などで航空機の利用が増え続ける中、2014年のW杯での需要増をカバーするためにも急務とされた国内主要空港三つの民営化を担当する企業グループが決まった。
 6日付G1サイトによれば、グアルーリョス空港を担当する企業グループ(コンソーシアム)は、年金基金大手(Previ、Petros、Funcef)と、ラパーゾ・タバーレスやリオ〜テレゾポリス高速道などを管理するOASからなるImveparで、空港の管理運営は南アフリカ空港会社が担当。落札額は入札の最低額(底値)を373・5%上回る162億1300万レアルだった。
 サンパウロ州カンピーナスのヴィラコッポス空港はAeroportos Brasilが落札。南伯と南東伯の高速道641キロを管理するConcepa、Concerら3コンソーシアムなどからなるトゥリウンフォ・パルティシパソインス・エ・インベスチメントスとUTCパルティシパソインスに、フランスのEgis空港運営会社が参画する同グループの落札額は、底値を159・75%上回る38億2100万レアルだった。
 また、ブラジリア空港を担当するのは、リオ・グランデ・ド・ノルテ州アマランテのサンゴンサロ空港の民営化を担当するInframerica Aeroportosで、空港運営はアルゼンチンのアメリカ・コーポレーションが担当。落札額は底値を673・89%上回る45億100万レアルだった。
 入札の最低額が3空港合わせて55億レアルという大型入札は、民間企業からの疑問への回答が遅れた上、提案書提出期限の直前になって会計検査院の許可が出るなど、予定通りの実施が危ぶまれていたが、底値を上回る事245億レアルという予想以上の結果で終了。今後45日以内に契約書が交わされ、6〜1年をかけて、空港インフラ業務公社(Infraero)との業務引継ぎを行う。
 落札した企業グループには、グアルーリョス20年、ヴィラコッポス30年、ブラジリア25年の運営権が付与され、収益の10%、5%、2・5%を政府に納める事が要求される。契約書の上限額を超えた収益については15%、7・5%、4・5%を納入する。
 2010年の3空港の利用者は2680万人、540万人、1430万人で、2030年の推定利用者は6050万人、3290万人、5050万人。各空港にはW杯までに年200〜700万人を収容できるターミナル建設などが求められており、目標が達成できなかった場合は罰金も科せられる事になっている。

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