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国連食糧農業機関=1月の食料価格指数が上昇=原因は南米などの天候=ここ10年は高値が続く?=国内のインフレ率にも影響

ニッケイ新聞 2012年2月10日付け

 国連食糧農業機関(FAO)が9日、1月の世界の食料価格指数が前月比4ポイント上昇し、214となったと発表した。9日付G1サイトなどによると、今回の価格指数上昇は、主要生産・輸出国であるブラジルなどの天候不順が最大の理由と考えられている。

 昨年7月以降、下降傾向にあった食料価格指数が約2%押し上げたのは植物油や穀物の価格上昇で、欧州の景気後退や中国の経済減速化などで価格低下との見通しを覆った原因は、南米や欧州の天候不順だという。
 食料価格指数は穀物や油脂、乳製品、食肉、砂糖の価格変化を基に算出され、その動向には様々な動きが反映される。
 07年に表面化した米国のサブプライムローンショックと08年9月のリーマンショックもその一つで、世界的なリセッション(景気後退)の時期は、需要停滞で指数も低下。09〜11年前半は、景気の回復などによる上昇が続いた。
 一方、昨年後半の価格低下は豊作が伝えられた事をきっかけにとする反動だが、中国などの新興国を中心とした需要拡大で大きな価格低下とならなかったところに起きたのが南米や欧州の天候不順と減産だ。
 通常なら、ドル価の動向や原油価格も影響するが、1月の場合はそれらの要因に特別な動きはなく、南伯やアルゼンチンでの干ばつと欧州の寒波による穀物減産が響いたようだ。
 世界の食糧庫であるブラジルやアルゼンチンを襲った干ばつは欧州の寒波と共に懸念材料で、昨年末FAO事務局長に就任したブラジル人のジョゼ・グラジアノ氏は、食料価格の上昇が生産者を潤すのは一時的で、長期的には生産者にも消費者にも負の結果を招くという。
 FAOでは、欧州の景気後退や新興国の経済減速化で需要低下の上、世界全体の穀物生産量は、従来の見通しより460万トン増の23億2700万トンと想定。2012年終了時の穀物在庫予想も、500万トン上方修正し、5億1600万トンとした。
 ただ、この数字は食料価格の大幅引き下げには不充分で、FAOもここ10年の食料価格は高止まりと予想。また、米の生産は5カ国で70%、大豆の生産は3カ国で80%という現状を改善しない限り、食料価格は下がらないという。
 さらに心配なのは、今後40年で20億と予想される世界の人口増加と食糧生産のバランス。FAOの年間予算10億ドルでは飢餓や貧困に苦しむ人1人に年1ドルの支援しかできないが、世界の穀物生産状況などの情報システムが3月に機能し始めれば、価格安定にも役立つと見ている。
 南伯の干ばつは国内でも大豆とトウモロコシの価格上昇を招いており、総合物価指数(IGP—DI)の60%を占める卸売価格や、卸売市場での食材料価格のデフレ傾向に終止符を打った。

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