ニッケイ新聞 2012年2月10日付け
【既報関連】昨年12月から、サンパウロ州食料供給センター(CEAGESP、以下セアザ)に通じるマルジナル・ド・ピニェイロスとバンデイランテス大通り、マルジナル・ド・チエテなどで一部の時間帯にトラックの通行が規制され、生鮮農産物の販売・購入などに携わる人々がセアザに出入りできず〃営業妨害〃と抗議している問題で、今月1日午前、行政側と抗議する人々との間で2回目の会合が開かれた。安部順二下議(PSD—SP)は「ジルベルト・カサビサンパウロ市長に強く要請する」としているが、前回会合で発足した、組合員を代表し行政と交渉する委員会の代表で、モジ農村協会の森ミノル氏は「市の方からは何も連絡がない。規制で皆遠回りしているし、大いに支障が出ている」とため息を漏らした。
この規制はサンパウロ市の交通渋滞や環境問題対策として数年前からセントロを中心に各道路で実行に移されており、マルジナル・ド・ピニェイロスとバンデイランテス大通りは現在、平日は午前4時〜午後10時の間、土曜は午前10時〜午後2時の間に通行規制されている。
農産物の生産や販売・購入に携わる人々が安部下議に陳情した結果、保存の利かない農産物(花は含まず)を運搬するトラックは、CETのサイトで申請して特別許可を得た場合、午前4時〜正午は通行が可能になっており、規則を遵守しなかった運転手には罰金が科せられている。
マルジナル・ド・チエテでも規制時間は同様。ただし3月1日から、同じく保存の利かない農産物の運送業者は特別許可を得れば午前4時〜10時まで通行できるようになるという。
今回の会合では、安部下議、羽藤ジョージサンパウロ州議(PMDB)の出席のもと、規制の実務を担うサンパウロ市交通技術公社(CET)職員ら、運送業者を中心とした各組合代表者ら約60人が同社会議室に集まった。
森氏は最初に「セアザはブラジルだけでなく南アメリカへの食糧供給中心地。調査や交渉もなしに規制はありえない」と訴え、安部下議は「商品が到着するのを妨げ、関係者に多大な損害を与えている」とし、同じく規制の無効化を要請した。
出席者の話を一通り聞いた後で、会合を実施したエドアルド・マカベリ氏は規制見直しには言及しなかったものの「各組合の事情を聞き、話し合いを進めたい」と述べるに留めた。
安部下議と委員会の面々は会合後、サンパウロ州農業連盟のファビオ・メイレレス会長にも面会し、撤廃に向けた協力を要請。メイレレス会長は「できる限り協力したい」と話した。