ニッケイ新聞 2012年2月14日付け
日本国政府による「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を受けて、市立イエスの聖心病院(パラナ州ノーヴァ・エスペランサ)が病院改修及び医療機器整備を完了、1月28日に落成式が実施された。
式典には山口登在クリチーバ日本国総領事、マリア・ベナッチ市長、イザベル・ヴァスコンセロス保健局長、ヴェラ・サンチニ市議会議長、カズミチ・コガ州保健局マリンガ地方区保健局長、ヤマモト・ファビオ同市文化体育協会会長、西森ルイス連邦下院議員および市議会議員、市職員、地元関係者ら約60人が出席した。
市内唯一の救急指定病院である同病院は、1996年の設立以来、統一医療保健システム(SUS)を利用する市民と地域住民計約7万人に、総合的な医療・救急サービスを提供してきた。
しかし、慢性的な財政難を抱える同市は病院への予算確保が困難とし、日本国政府に草の根資金援助を要請した。
昨年1月、同市および同総領事館との間で9万8205米ドルの贈与契約が交わされ、日本国政府は電気メスセットと麻酔器の購入、病院改修支援を約束した。
式典で、ヤマモト文協会長は「草の根援助で病院改修が実現したことは、病院関係者や市役所関係者、そして市民全員にとって大きな喜びです。地震と津波による甚大な被害からの復興途中にありながら、他国に支援を続ける日本国政府と国民に対し、心から感謝したい」と感謝の意を述べた。
西森下議は、「これまでパラナ州399の自治体の内、50市が日本から経済援助を受けた。これからは、G20に加盟し世界第6位の経済大国となったブラジルが、日本の援助を手本にして貧しい国々に対し経済援助をする責任がある」と話した。