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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年2月14日付け

 女性の社会進出の比率が低い—と批判されがちな日本ですが、なかなかどうして近頃は女性大臣も珍しくはなく、とてものほどに「か弱き女性」などとは申せない世の中になりました。あの男性専科の自衛隊にも佐伯光さんが海将補になり話題になったし梶田みち子、柏原啓子さんも空将補になり司令として陣頭指揮をしています。やはり、男の世界である警察ですが全国26万人のうち30%超が婦人警官なのです▼ですが—警察庁の幹部となると、これはほぼゼロらしい。警察のキャリア試験は難しいし、年間の採用は十数人であるし、この難関を女性が突破するのはかなりの努力がいる。と、云うことで東京の警視庁総監や警察庁長官への夢はまだまだ遠い。キャリアになれば、警部補になり7年もすれば警視となるとんとん拍子の出世を約束されているエリートながら、どうも世の評判はあまりよろしくないようなのが眞に残念—▼霞ヶ関には、女性局長もわんさとおいでになるが、残念ながら事務次官のポストは遼遠の道と覚悟しじっくりと静かに歩むしかあるまい。でも、近頃は女性判事が増えているし、検事も多く大活躍しているのは何とも喜ばしい。日本が女性に司法への参入を認めたのは、昭和13年のことだが、久米愛、三淵嘉子、中田正子の3人が初めての女性弁護士であった▼最近では野田愛子さんが札幌高裁長官だったし、今の仙台高裁の一宮なおみ長官もいる。と、賑やかだし、TVにも女性検事の捜査物語がいっぱい放映されるし、何とも「強い女性」ばかりが目立つ—と男は情なくも引き下がるしかない。(遯)