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おかえりなさい!魁聖!=ファン、後輩力士が歓迎=コロニアの応援にも期待=「三役を目指したい」

ニッケイ新聞 2012年2月23日付け

 サンパウロ市出身の大相撲力士・魁聖(25、三世)=友綱部屋=が18日、6年ぶりに帰国した。翌19日には相撲愛好者や後輩力士ら約150人が集まり、帰国歓迎会がサンパウロ市ボン・レチーロ常設土俵で盛大に行われた。魁聖は本紙の取材に対し「自分の相撲は日系人の方々に育てられた。こうした恩は忘れてはいけない」と襟を正し「三役を目指して頑張るので、応援をお願いします」としっかりした日本語で答えた。

 午前9時から、サンパウロ市近郊の各支部から集まった子供、青年力士たちが練習を開始、汗を流して魁聖の到着を待った。会場には相撲ファンや友人などが続々と集まりはじめ、魁聖が家族とともに現れた瞬間、来場者は立ち上がり拍手で迎えた。
 練習を中断して子供達が駆け寄ると、一人一人に笑顔で握手。記念写真ラッシュにも嫌な顔一つせず快くサインに応じた。同行した魁心(25、二世)が魁聖のまげを結う実演もあり、着流し姿になると辺りからは歓声が響いた。
 昨年5月の技量審査場所で9連勝を含めた10勝を上げ、東前頭5枚目まで昇格したものの4場所連続で負け越しが続き、十両転落がほぼ確実となっている。
 記者団のインタビューでは、昨年から坐骨神経痛で腰を痛めていると話し「けがとの付き合いが大切。まず幕内に戻り、三役を目指したい」と力を込めた。
 ブラジルの相撲人口が減っていることに関し「相撲は友達と会える楽しい場所。皆で強くなって、日本に来る選手が現れれば嬉しいですね」と笑顔で話した。
 サンパウロ時代に魁聖と何度も戦った樋口高大さん(29、二世)は「あの頃から強かったが、更にたくましくなった。責任ある立場にいるつらさも感じたので、ブラジルで気分転換してほしい」とエールを送る。
 「握手するため近くに立ったけど、テレビで見るより大きいね」と驚きを話すのは汎サント・アマーロ連合文化協会元会長の井上章さん(78、高知)は「同じ地区に住んでいながらファンになったのはNHKで大相撲を見てから。腰を治して、足を鍛えれば将来は必ず三役になれるでしょう」と期待を語った。
 練習終了後はシュラスコが行われ、魁聖をかこんで乾杯。パーティーは夕方まで賑やかに続いた。