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PSD=政党基金増額のため選挙裁へ=上手くいけば放映権も=セーラ出馬時の副は否定=不透明なPSDB候補選

ニッケイ新聞 2012年2月24日付け

 昨年生まれた新政党の社会民主党(PSD)は、10年選挙に出馬していれば500万票余りを獲得していたとして、政党基金の増額や選挙時の無料放送の時間獲得に向け動いていると22日付フォーリャ紙や23日付エスタード紙が報じている。

 国会議員などが任期期間中に所属政党を変更する事を禁じる法案が07年に発効となって以来、唯一の例外である新設党への移籍が起きたのが11年に新設されたPSDで、下院からは10%に当たる52人の議員が党籍を移した。
 最も移籍者が多かったのは、党首であるカサビサンパウロ市長が所属していた民主党(DEM)からの18人で、進歩党(PP)と共和党(PR)、社会大衆党(PPS)の各4人などが続く。
 10年の下議選挙で見た場合、得票数5位のDEMでは220万票、6位のPPでは42万票余りがPSDへの移籍者に投じられており、PSDが同年選挙に参加したと仮定した場合の得票数別ランキングでのDEMは8位。PPは6位のままだが、5位には社会党(PSB)が躍進、PSDは7位に入る。
 これを基に、下議選に出馬した候補への得票数(当選、落選を問わず)によって配分が決まる政党基金の増額を選挙裁判所に求めているのがPSDだ。
 PSDが受け取っている基金額は最低の月額1万8500レアルだが、フォーリャ紙によれば、選挙裁が同党の言い分を認めれば月額は約160万レアルに増える。
 ただ、エスタード紙は、現在在籍中の47下議の内、単独で当選できるだけの票を獲得したのは1人だけで、残る46人は所属政党内に大量得票者がいた事の恩恵を受けて当選している事などを選挙裁がどのように判断するかを疑問視。選挙裁の日程も決まっていないため、基金増額の可否はまだわからない。
 一方、基金増額が叶った場合にカサビ氏が狙っているのは、当選下議数に応じて配分される選挙時の無料放映権の獲得。テレビやラジオでの無料放送は、選挙戦での有力手段の一つだけに、実績がないために放映時間が数秒に限られるか、当選下議数に従って算定される時間を確保できるかの差は大きい。
 民主社会党(PSDB)のアウキミンサンパウロ州知事が、サンパウロ市市長選でのPSDとの同盟が流れそうになった時にDEMとの同盟維持に走った理由の一つが放映時間の差だったというが、サンパウロ市市長選に関しては、カサビ氏が21日、セーラ氏出馬の場合、支援はするが副候補は出さないと発言。
 23日付エスタード紙によれば、セーラ氏は正副をPSDB候補で固める事を望んでおり、3月4日の予備選勝者が副となる可能性も浮上。アウキミン知事は22日、セーラ氏の動向を巡る新たな情報はないとした上、予備選は予定通り行う事を再確認した。