ニッケイ新聞 2012年2月24日付け
今年のリオのスペシャルグループのパレードの審査結果の発表が22日に行われ、ウニードス・ダ・チジュッカが2年ぶり3度目の優勝を飾った。23日付伯字紙が報じた。
審査結果はリオのサンボドロモで発表され、ブラジル北東部セルトンの音楽バイオン(フォホーの一種)の第一人者であるルイス・ゴンザーガの生誕100周年にちなんだテーマ「セルトンの王ルイス」を演じたチジュッカが300点中299・9点というほぼ満点に近い点数で優勝を飾った。チジュッカは優勝賞金およそ1000万レアルを受け取った。
2位には0・2点差でサルゲイロがつけ、以下ヴィラ・イザベル、前年優勝のベイジャ・フロール、グランデ・リオ、ポルテラが続いた。以上6チームは25日のサプカイでのパレードに参加する。また、ポルト・デ・ペドラとレナセール・デ・ジャカレパグアーが降格し、イノセンテス・デ・ベルフォード・ロッショが昇格する。
チジュッカは1931年に創立され、リオの中でも最も長い歴史を誇るエスコーラのひとつ。1936年に最初の優勝を飾って以来優勝に見放されていたが、2010年に74年ぶりの優勝を果してからは1位、2位、1位と快調ぶりを示している。
その原動力となっているのが、カルナバレスコ(総合演出家)のパウロ・バロスの存在だ。2004〜05年にチジュッカを準優勝に導いた際には山車を人間の体で作り上げ、それが近年のカーニバルでのひとつの流行にもなった。2007年から一時チジュッカを離れていたが、10年の復帰後は同チームを常に優勝争いに導いている。
2010年に優勝した際のテーマだった「それは秘密です」をはじめ、常に抽象的なテーマで挑み、従来のカーニバルの伝統だった偉人の生涯などのテーマを嫌っていたバロスだったが、今回はチジュッカのフェルナンド・オルタ会長のリクエストを拒みきれず、ルイス・ゴンザーガをテーマに選んだ。
だが、バロスは、ゴンザーガのイメージをシューシャやペレといったブラジル内の様々な王者と結びつける演出を行うことでゴンザーガの〃心〃を描いた。また、北東部の伝説の土人形アーティスト、メストレ・ヴィタリーノの人形を使った山車や、ゴンザーガの代表作「アーザ・ブランカ(白い翼)」をイメージして、周囲に鳥の姿をした人間を配して羽ばたかせる演出の山車などで観衆を魅了した。
バロスは、今回の優勝はブラジルの文化についての作品を手がけたことがないという批判への答えで、「今度は別のタイプのテーマだってやってのけるよ」とコメント。オルタ会長も「パウロはなんだってできるんだ」と誇らしげに語った。